【3417】神秘体験の後、正常になったのですが、その後、地獄に落ちると感じ、自殺したくなりました

Q: 29歳会社員、男です。
現在抑うつ状態で約2年半、月に1回精神科へ通院しています。
2年半前に心理学系の本に出会い、その本を盲信してしまい、ある日仕事のプレッシャーもあり寝れなくなってしまった日がありました。
その本には自分の状態にあったいい事が書かれており始めは凄く好調に気持ちよく生活を送れていたのですが、統合失調症はその人が創造してるから統合失調症になるものなのだとも書いてあり、不眠もあってか自分ももしかしたら統合失調症を創造するようになってしまうのではないかと思い始め急に目の前が歪み始め、世界が紫色に見え、死の恐怖が湧き上がってきました。
以前からうつ傾向にあるのは自覚していおり、宗教、特に仏教の禅に興味を持っていたため、瞑想をすればこの感覚から抜け出せられるのでは無いかと思い瞑想をしました。
瞑想をしたら体が世界へ溶け込んで行く感覚と光につつまれ神秘的体験をした後、正常な精神状態になりました。(後ほど調べたら変性意識状態と呼ばれるものと似通ったものでした。)
しかし、少し時が経つと自分は地獄へ落ちる存在なのだという気持ちが湧き上がり、今にも自殺したいという気持ちに支配されました。
精神科へ駆け込み、ジプレキサとセロクエル、メイラックスを処方され今も飲んでいます。主治医からははっきりと精神病と診断はされず、抑うつ状態とされていますが、発症したときは精神病的であったと言われました。
これは統合失調症のような病気なのでしょうか。また再発するような病気なのでしょうか。

 

林:
不眠もあってか自分ももしかしたら統合失調症を創造するようになってしまうのではないかと思い始め急に目の前が歪み始め、世界が紫色に見え、死の恐怖が湧き上がってきました。

何らかの超自然的なことや、難解な哲学的なこと、宗教的なこと、あるいは実際はそれらでなくてもそれらに類することと本人が認識していること(このケースでは統合失調症の本質がそれにあたると言えるでしょう)を考え続けるうちに発症するのは、統合失調症などの精神病発症の一つのパターンです。

以前からうつ傾向にあるのは自覚していおり、宗教、特に仏教の禅に興味を持っていたため、瞑想をすればこの感覚から抜け出せられるのでは無いかと思い瞑想をしました。 ち
瞑想をしたら体が世界へ溶け込んで行く感覚と光につつまれ神秘的体験をした後、正常な精神状態になりました。(後ほど調べたら変性意識状態と呼ばれるものと似通ったものでした。)

上記の説明の通り、これはひとつの典型的な発症パターンです。

しかし、少し時が経つと自分は地獄へ落ちる存在なのだという気持ちが湧き上がり、今にも自殺したいという気持ちに支配されました。

このように急転直下で不安・恐怖に圧倒されるのもまた一つのパターンです。【3416】すべての神秘的体験は精神病ですか とも類似しています。

精神科へ駆け込み、ジプレキサとセロクエル、メイラックスを処方され今も飲んでいます。主治医からははっきりと精神病と診断はされず、抑うつ状態とされていますが、発症したときは精神病的であったと言われました。
これは統合失調症のような病気なのでしょうか。また再発するような病気なのでしょうか。

統合失調症か、または、統合失調感情障害でしょう。再発のおそれはあるとみるべきです。

なお、神秘的体験と精神病に関しては、林の奥教祖の精神鑑定 もご参照ください。

(2017.5.5.)

05. 5月 2017 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 統合失調症, 自殺 タグ: |