【3476】外出するのが怖くて仕方がない
Q: 20代男性です。私は外出するのが怖くて仕方ありません。いや、外出というよりも、人を見ることが怖いのです。
「別に私の悪口を言っているわけではない」「単なる妄想だ」と頭で理解しようとしても、身体が言うことをききません。具体的に言うと、人とすれ違うだけで目が泳いでしまったり、睨んでしまったり、心拍数が上がってしまいます。脇見恐怖症というものでしょうか。
意識してしまうと駄目なのは分かっていますが、人が視界に入ると平静を装うのに必死になってしまうのです。
そんな毎日から、自己嫌悪に陥り、外出することさえ億劫になってしまいました。
友人と会話する時などは平気なのですが、つまり、何も知らない他人からこう見られているのではないか、という無根拠な恐怖が襲ってくるのです。
睡眠の前などにも、横になっていると私の悪口を言う声が聞こえてきます。まぁ、幻聴だと分かりますが。
また、日によって精神状態がかなり不安定です。
特に何も無い日もあれば、人と喋る気もせず無気力に一日中寝ていることもあります。
その度に、そんな自分が嫌になるのです。
自分が甘えているようで、嫌になるのです。
しかし外に出てみれば、やはり同じで、怖いのです。
また、急に笑いが込み上げてくることもあります。
特に面白いこともないのに笑いが止まりません。
こういう時に、やはり自分は異常だなぁと思います。自分のことを理解したつもりでも、実は全然分かっちゃいないんでしょうか。理解しようとするから苦しいのでしょうか。
林: ここに書かれている状態がいつから始まったかが本来は重要ですが、ここでは始まったのは思春期以後であると仮定して回答します。
そうしますと、最も考えられるのは、統合失調症の初期または前駆期です。
私は外出するのが怖くて仕方ありません。いや、外出というよりも、人を見ることが怖いのです。
これだけですと病気ではないことを含めた複数の可能性があり、何とも言えませんが、
「別に私の悪口を言っているわけではない」「単なる妄想だ」と頭で理解しようとしても、身体が言うことをききません。具体的に言うと、人とすれ違うだけで目が泳いでしまったり、睨んでしまったり、心拍数が上がってしまいます。
人が怖い理由が上記だとすると、統合失調症の可能性が濃厚になります。
睡眠の前などにも、横になっていると私の悪口を言う声が聞こえてきます。まぁ、幻聴だと分かりますが。
睡眠の前だけに声が聞こえる場合は、病的ではない幻聴の場合もありますが、この【3476】のケースでは他の症状とあわせ、統合失調症の症状としての幻聴であると判断することが妥当です。
また、日によって精神状態がかなり不安定です。
特に何も無い日もあれば、人と喋る気もせず無気力に一日中寝ていることもあります。
統合失調症にありがちな症状です。
その度に、そんな自分が嫌になるのです。
自分が甘えているようで、嫌になるのです。
甘えではありません。統合失調症の症状です。
急に笑いが込み上げてくることもあります。
特に面白いこともないのに笑いが止まりません。
空笑、ないしはそれに近い症状です。
こういう時に、やはり自分は異常だなぁと思います。
異常だという自覚があるうちに精神科を受診してください。 病気が進むと病識が欠如し、異常なのは自分ではなく周囲だと確信するようになって精神科を受診することを拒否するようになり、病気がますます悪化することになります。このまま治療を受けなかった場合には、たとえば【3479】自分か周囲かどちらがおかしいのか知りたい のような状態を経て【2866】周囲からの嫌がらせにほとほと困っていますのような状態に至るというのが一つの考えられる経過です。
(2017.7.5.)