【3744】近所の70代男性の突然の異常行動

Q: 私は50代男性です。
仕事が休みの日、自宅で音楽を聴いていたら、突然戸をガタガタと開ける音がしました。すわ泥棒かと用心。身構えつつ、「誰だ?」と問うと、近所の70代後半の男性でした。 彼はこれまで奇矯な言動はなく、口数の少ない、落ち着いた男性でした。
「どうしたのですか?」と聞くと、「僕は明日、自殺します。」と言います。私が慌てずに「そんなこと仰らずに。」と諌めると、握手してきます。再び「この地域には、僕と同じ苗字の人が20人はいます。皆、明日自殺します。」と言います。気味悪いのをこらえ、「そんな物騒なことを仰らずに、長生きしてくださいよ。」と受け流すと、また握手をしてきます。そして今度は、「あなたも明日死にますよ。」と言います。 彼は話を終え、通りがかりの女性を見つけると駆け寄って、同じ話を繰り返しています。私は直ちに家に戻り、鍵をかけました。しばらくすると近所の人が呼んだのか、パトカーが来て話を数人から聞いていました。

質問です。
(1)この男性は、精神疾患でしょうか?或いは認知症でしょうか?
(2)人のいる気配の家に、強引に入ろうとする行動を、彼は今後もとるでしょうか?(恐怖も感じます。)

林:
(1)この男性は、精神疾患でしょうか? 或いは認知症でしょうか?

どちらも考えられます。しかし認知症が突然発症しこのような行動を取るとは考えられませんので、認知症の可能性はかなり低いと思います。
ずっと以前から統合失調症で治療を受けていて、何らかの理由で治療(服薬)を中断したというのが、このようなケースでは最も多いパターンです。そのほかには、薬物による精神病(覚せい剤など)、脳炎なども考えられます。

(2)人のいる気配の家に、強引に入ろうとする行動を、彼は今後もとるでしょうか?(恐怖も感じます。)

治療を受けなければ、今後もとるでしょう。

(2018.11.5.)

05. 11月 2018 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 統合失調症, 認知症