【3092】多重人格障害では、人格が変わった際、絶対にその人格に対して否定してはいけないのでしょうか
Q: 私は20代女性です。
恋人の携帯を盗み見てしまいました。
別の女性と親しげに会話をするメールのやり取りがあり、そこには性的なニュアンスを含む文章もあったので、私がこれは浮気ではないのかと問い詰めたところ、彼は「実は自分はNPO法人の仕事をしていて、精神疾患のある方々のサポートをしている。彼女はその中の1人だ。彼女は多重人格障害で、人格が変わった際、絶対にその人格に対して否定してはならないと医者に言われている。」と言っていました。
しかし、このメールのやり取りはまるで恋人同士そのものではないかと言ったら、
「絶対に否定してはならないのだから、相手に合わせていて気持ちが入ってしまうことはある」のだそうです。
彼の妹も同じ症状で、やはり否定はしてはいけないのだそうです。
正式な病名は存じませんが、多重人格障害の方は(主人格以外の)人格が出た際、周りが合わせないといけないものなのでしょうか?
林: 仮にそうだったとして、では恋人がそのような接し方をすることを容認するかどうかは、あなた自身が決めることです。
それはそうと、
人格が変わった際、絶対にその人格に対して否定してはならない
一般論としてはそういうことはありません。個別のケースに対してならあり得るかもしれません。
なお、彼はNPO法人の一員として医師から話を聞いたと言っておられるとのことですが、NPO法人なるものの一員に(そのNPO法人がいかなるものであれ、患者にとっては他人にすぎませんから)、医師が病状について説明することは、あり得ないとまでは言えませんが、普通はしないでしょう。
(2015.11.5.)