【2992】「手を尽くしても避けられない自殺」というのはありますでしょうか。言い換えると、悔やまない自殺はありますか?

Q: 20代女性、研修医です。お忙しい所目を通していただきありがとうございます。

身体科でいうところの、末期癌、心不全のように、避けられない死があります。積極的に延命をせず、思いに沿うように看取ることが多々あると思います。「手を尽くしたが…」と、表現は悪いですがあきらめがつきます。

ですが、精神科疾患で「死」というのは、「自殺」が殆どですよね(薬の副作用や緩和ケア等もありますが…)突然の、治療の有無にかかわらず、起こってしまう結果であり、悔やむことが多いです。
そこで質問です。「手を尽くしても避けられない自殺」というのはありますでしょうか。言い換えると、悔やまない自殺はありますか?

林:

「手を尽くしても避けられない自殺」というのはありますでしょうか。
言い換えると、
悔やまない自殺はありますか?

手を尽くしても避けられない自殺」を、「悔やまない自殺」に言い換えることはできません。つまり、この二つは全く違います。

「手を尽くしても避けられない自殺」は、当然にあります。
質問者は研修医とのこと、「手を尽くしても避けられない自殺」と「悔やまない自殺」の違いは、医学の研修を通して是非ご自分でお考えください。

(2015.7.5.)

05. 7月 2015 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 自殺