【2894】別人格が不倫していると言う夫
Q: 主人(28歳)のことでご相談させていただきます。 結婚してもうすぐ2年になります。子供(1歳)がいます。結婚前から他の女性との関係が続いていて、何度も別れるように話し合ってきました。半年ほど前、やっとその女性との関係を絶ってくれたようでしたが、その後、しばらく独りになりたいと言われ、1ヶ月私は実家に戻り、その間彼は色々考えていたようです。結果、自分にとって家族は大事な存在だと言ってくれ、また三人で暮らし始めました。
ところが最近、仕事が忙しいせいもあって、夫婦で話をすることも減り、以前のようなスキンシップもなくなりました。
仕事が早く終わるときでも家に帰らず、怪しいと感じているとやはり同僚の女性と会っていました。問いただすと、その彼女に対して恋愛感情はない。最近、何に対しても感情の起伏があまりない。楽しいとか、辛いとか、好きとかといった感情がわかない。表面的には装っているが、実際何も感じていない。自分がどうして仕事をしているのかわからなくなった。仕事は好きで、やりたいこともあったはずなのに、今はわからない。自分が生きている意味がわからない。(私や子供にとって大切な存在だと言うと)、では俺は人のために生きているのか?と言います。
最近は仕事の負担が増え、ストレスは強くあるようでした。
いつも疲れたような感じで、一緒にいるときもぼーっとテレビを見ていたり、話しをすることは少ないです。夕方にいつも眠気を強く感じるようで、仕事がはかどらないと言っていました。仕事は販売サービス業で、昼からの出勤が多く、深夜に帰ってきて昼前まで寝ています。
結婚前には、自分の中に別の人格がある、と言っていました。
その別人格が、他の女性と会っている、と。
始めは信じられませんでしたが、確かに顔つきや話し方が変わっていました。ただ、別人格が現れているときは、記憶がなくなるわけではなく、記憶の共有があると言っていました。当時は、よく頭痛がする。とも言っていました。
現在はそのような症状は出ないみたいですが、そういったことも含めて、うつ病を疑ったほうがよいのでしょうか?
わかりにくい文章で申し訳ありませんが、アドバイスいただければと思います。
林: 解離性同一性障害(多重人格)では、別人格の時の記憶は無いというのが典型的ですが、そうでないケース(記憶の共有がある。ある程度ある場合もあれば、かなり完全に近い形である場合もある)もあります。
ですからこのケースは解離性同一性障害の可能性はありますが、他方、不倫の言い訳としての詐病の可能性ももちろん否定できません。
精神科を受診することをお勧めします。解離性同一性障害かどうかを確かめるという意味もありますし、そのほかにある今の症状を(これも、詐病でなければということですが)治療していただくという意味もあると言えます。
(2015.2.5.)