【2811】統合失調症と診断された経緯についての報告

Q: 私は25歳の女性です。
これは質問ではなく、統合失調症と診断されるまでの経緯をご報告したいと思いメールします。私のようなパターンもあるので、苦しんでいる方やその周りの方が統合失調症と気づく きっかけになればと思います。

今にして思うと、はじまりは中学生の時でした。入学してすぐに、クラス中の目つきが変わり、みんなで私のことを悪く言うようになりました。「死ね死ね」「くさいくさい」「消えろ消えろ」など、呪文のように一日中言われ、はじめの頃はそれを言っている男子たちを睨んだりしていました。でも睨むと、相手は驚いた顔をして「どうしたの?」と心配そうに聞くので混乱しました。
その後は悪口を無視して勉強に打ち込み、高校に入ると悪口はなくなりました。
なかなか友達ができませんでした。

大学では夜に布団から出ている部分が襲われそうな気がして、怖くてバファリンを200錠ほど飲んで動けなくなり、心療内科を受診しましたが、「あっそう。気のせいだよ。」と相手にされませんでした。

大学を卒業後、22歳の時、直属の上司に「てめーふざけんな」「てめー菓子パンとか食ってんじゃねえ」など言われるようになり、その上司の前だとめまいがする、立っていられない、下痢になるなどの症状があり、モラルハラスメントと思いボイスレコーダーで上司の声を録音しようとしましたが、確かに上司が言っていたのに音声がとれませんでした。とにかく上司を前にしたときの立ちくらみや失神が辛く、また心療内科を受診しました。その時は「めまいがしたら座らせてくれるように頼みなさい。」と言われ薬は処方されませんでした。自律神経性発作と言われました。

1年後、23歳の時に上司の暴言が耐えられず、上司が言ったことを詳細にレポートにまとめて人事部へ持って行きました。人事から産業医の受診と有給で1ヶ月休むように言われ、休んでいる間に上司は降格になり、そのショックで上司は退職しました。上司は、全く思い当たることがないと言っていたそうです。
産業医からは適応障害と言われ、2ヶ月の休職後に復帰を進められましたが退職しました。

半年ほど職業訓練校に通い、25歳の今は新しい会社に勤めています。
しかし、今度は全く知らない人から悪口を言われるようになりました。
電車を降りる時にすれ違いざまにサラリーマンから「このあばずれ」と言われたり、「かわいくなかった」と言われたりしました。
その頃から、なんだかよくわかりませんが地震で死ぬような気がしたり、自分の部屋を隣の部屋の人が監視していたり、職場の人全員に嫌われている気がして新しい心療内科を受診したところ、今度のお医者さんは私の話をちゃんと聞いてくれました。そしてジプレキサ、レグナイト、レクサプロをいただいて、悪口は消えました。

統合失調症と一週間前に伝えられ、自立支援のなにかを申請するように勧められました。
私は中学生から25歳のいままで非常に苦しかったです。
でも今は悪口もなく毎日が楽しいです。少し太ってしまいましたが、とても身体が楽になりました。
これからもお医者さんの言うことをよく聞いて、仕事もがんばっていきます。
あと、恋人もできました。統合失調症と聞いても顔色一つ変えず、私のことが好きだと言ってくれます。
以上、ご報告でした。
この文章が誰かの役に立つことを願っています。

林:  間違いなく、多くの方々のお役に立つと思います。
貴重な体験のご報告をいただきありがとうございました。

苦しんでいる方やその周りの方が統合失調症と気づく きっかけになればと思います。

気づくきっかけとなるだけでなく、適切な治療による改善の実例として、多くの方々の希望になるでしょう。

これからもあなたの病状が安定し、さらに改善されることを願っています。

(2014.10.5.)

05. 10月 2014 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 統合失調症