【2678】統合失調症とアルコール依存症の夫‏

Q: 私は40代女性です。7年前に夫と知合い、その頃からお酒をたくさん(一日でビール500ml6本、日本酒1リットルほど)飲む人とは思ってましたが、私があまり飲まないので、お酒に強い人としか思ってませんでした。しかし、週末は朝から飲み、夕方には酔いつぶれてしまうことが毎週のようになり、「夕方までは飲まない」という約束をし、守ってくれるようになり、結婚することとなりました。結婚して数ヶ月後、仕事がきつくなり、そのころからまた時間さえあれば一日中飲む暮らしが始まり、仕事でも大事な用件があるときに限って飲んで出勤するなどの失敗を繰り返し、仕事を失ってしまいました。その後また転職しましたが、飲酒が原因で解雇となり、AAに通い始め、なんとか再就職し、不眠とうつも訴えてきたので心療内科にも私の勧めで通い始め、処方薬を飲んでいました。しかし、昨年12月に3週間の休みを取って帰省するはずが、連続飲酒をしたせいで、飛行機に乗り遅れ、そのまま飲酒を続けていたので出勤日までにしらふに戻れず、無断欠勤を何日間もしてしまい、また解雇されてしましました。その後、本人が自ら、飲酒をする理由として「子供の頃から聞こえる声のようなものが飲酒によって消えるから飲む」というような事を言われ、それを医師に相談したところ、うつというよりも統合失調症ではないかということで、ジプレキサを処方され、それ以来、「声が聞こえなくなった」と本人も明るくなり、また転職活動をはじめ、飲まずに頑張っていたのですが、今回はなかなか決まらず、やっと決まった仕事に喜んでいたところ、突然キャンセルの連絡があり、それを機に約一ヶ月の連続飲酒をしており、しらふの時間が無く、すっかり人間の抜け殻のような生気の無い状態になっています。ここまでくると、底つき体験でもしなければ目覚めることも無いのかと思い、4歳の息子を連れて別居をしようかと考えましたが、なかなか踏み切れない理由があります。それは「統合失調症のある夫が底つきを体験した時、自殺など、さらに身を苦しめる方向に向かないものか?」というものです。どうぞよろしくお願い致します。

 
林: ご主人がアルコール依存症であることは間違いありません。統合失調症か否かはわかりません。

本人が自ら、飲酒をする理由として「子供の頃から聞こえる声のようなものが飲酒によって消えるから飲む」というような事を言われ、

これだけでは統合失調症と診断する根拠になりません。
また、アルコール依存症の人は、しばしば自分がアルコールを飲む理由として虚偽を述べることがあることも考慮する必要があるでしょう。

ここまでくると、底つき体験でもしなければ目覚めることも無いのかと思い、4歳の息子を連れて別居をしようかと考えましたが、なかなか踏み切れない理由があります。それは「統合失調症のある夫が底つきを体験した時、自殺など、さらに身を苦しめる方向に向かないものか?」というものです。

その心配は、統合失調症であってもそうでなくても同じことです。
そういう危険性があっても踏み切るかどうかは、質問者本人が決めることです。

(2014.5.5.)

05. 5月 2014 by Hayashi
カテゴリー: アルコール依存症, 精神科Q&A, 統合失調症