【2770】うつ病か、甘えの擬態うつ病か

Q: 28歳の男性です。一昨年から仕事上のトラブルからストレスを感じ不眠症になりました。最初は薬を飲むことに抵抗を感じており、レンドルミン・ソナラックスなどの最低限の薬を処方されて、現在睡眠薬としてラボナ、抗うつ薬としてパキシル・サインバルタを処方されています。 不眠になってからはそれまで楽しく打ち込めたことも手に付かなくなり、遅刻や規律違反を起こしたりして、二回ほど休職をしていました。しかし、現在も生活リズムを立て直すこともできず、焦燥感と不安感で苛々してしまう毎日を過ごしています。現在も休職しております。 内科にもかかりましたが、身体的にはどこにも異常が見られず、薬の副作用と言われました。 今は何かをしなければならないと思い、やろうと思うのですが何をしようにも手につかず、無気力感ばかりでてしまい、ただただ時間を無為に過ごしてしまっています。 かろうじて、好きな音楽を聞くことくらいが今のできることなのですが、うつ病なのかどうか、自分自身でも分からなくなってきました。家族にもうつ病であることを告げたのですが、「気の持ち方がよくない。甘えだ。精神科医にぶら下がってるだけ」というようなことを再三言われ、どうも理解を得られていないようです。 うつ病の文献をいくらか読みましたが、自分に当てはまらない部分もあり、どうしたらいいのかわからなくなっています。周りの理解も得られず、治療は長引くばかりで不安感が日に日にましています。 自分で思ったことすらまとめることができなかったり、虚勢をはってしまったりつい嘘をついてしまったり、約束をいつも守れなかったり、そういったことで自分を責めることは事はなく、右から左へ流してしまってさらなる相手の怒りを買ってしまうこともしばしばです。 その一方で時折死にたいと思ったり、消えてしまいたいという願望を持つこともあります。  私はうつ病なのでしょうか? それとも環境に只々甘えているだけの擬態うつ病なのでしょうか。

林:
一昨年から仕事上のトラブルからストレスを感じ不眠症になりました。

不眠になってからはそれまで楽しく打ち込めたことも手に付かなくなり、遅刻や規律違反を起こしたりして、二回ほど休職をしていました。

このような経過は、うつ病の発症として矛盾はありませんが、不眠になる前の状況が不明で、また、その後の状況の描写も具体性が不足しているため、判断は困難です。全体として、うつ病として矛盾がないとまでは言えます。

うつ病の文献をいくらか読みましたが、

うつ病の症状が一定以上あるときに、うつ病についての文献を読むことは勧められません。しないほうがいいでしょう。うつ病の時は判断力が鈍っているというのがその大きな理由です。

自分に当てはまらない部分もあり、

それは当然です。どんな病気の症状も、実際の患者さんにそのすべてが当てはまることはありません。
また、質問者が文献を誤読している可能性も否定できません。

どうしたらいいのかわからなくなっています。

そうなるのは普通です。うつ病の症状が一定以上あるときに、うつ病についての文献を読むことは勧められません。

私はうつ病なのでしょうか? それとも環境に只々甘えているだけの擬態うつ病なのでしょうか。

おそらくうつ病だと思います。うつ病は適切な治療を受ければ治ります。

(2014.9.5.)

05. 9月 2014 by Hayashi
カテゴリー: うつ病, 擬態うつ病, 精神科Q&A