【4997】お互い同意のうえで性交した女性から、その性交は不同意だったと訴えられ警察の取調べを受けています
Q: 50代男性です。 先月、40代女性とお見合いパーティで出会いました。 その方はシングルマザーさんです。
1度お会いした時は2時間ほどお茶しました。
2度目にお会いした時には日中ですがホテルで性交をしました。
後日お相手の女性から先日の性交は不同意だと被害届をだされました。
寝耳に水というか、それまで電話やメッセージのやりとり、当日の行動もお互い楽しく前向きで何も違和感もなくそういうホテルに行き、無理やりでもなくお互い望んでそういう関係になったのですが、聞くところによるとお相手の女性は解離性同一性障害の中の”過剰同調性”という症状をお持ちの女性ということがわかりました。(その場の空気、雰囲気、相手の機嫌を損なわないような行動言動をとる人だそうです。)
被害届をだされたことで警察から話を聞かせてくださいとのことで先日伺ってきました。
彼女は、2回目に会った際に行ったラブホテルで『やっぱり帰りたい』と言ったら相手の男性が怒るだろうから、じゃぁ今は我慢して性行為をした方が相手も喜ぶだろうと思って同調した行動をとっただけとのこと。つまり嫌々だったと言ってるのです。
でも、性交した後も一緒に仲良く車に乗って最寄りの駅まで移動して、お互い手を振ってバイバイして、その後その女性の方から”今日はたのしかった、とってもシアワセです”というメッセージも届いています。
だけど、それらすべて”そういう行動をした方が相手が喜ぶだろうと思って”した行動であるとの主張だそうです。
それを言われてしまうと、仲良くやりとりしていた電話、メッセージ、行動すべて相手の都合の良いところだけ”同調しただけ”と言われることになり、私にとったら何を信じたらいいのか、、、とても悩ましい状況に追い込まれております。
主人格が女性で、副人格が男性みたいにハッキリ多重人格があればこちらも相手の異変に気付くことはできますが、見た目も口調もガラッと別人になることがなく、ずっとその人の状態なので何も気づけるキッカケもなく。
どうやら表面に現れるのではなく、”頭の中”で主人格と副人格がいるような感じなのです。なので、その時、その瞬間、相手に同調するかどうかを選択している状況だとその女性は主張されているとのことです。
ですので、別人になってる間に記憶が飛ぶ、なくなる、ということはないようで、その時の意識や記憶、すべてちゃんとあるそうです。
こちらが無理やり襲ったのであれば罪になりますが、お互い好意を持ってた同士が性交した後にこういう事態になってしまっております。
精神障害の診断書もあると警察の方から聞いておりますが、私は初耳でした。
終始やりとりすべて客観的に見れば仲の良い関係なのですが、部分的に真逆でしたと主張され、事件化されてはこちらとしては何もなすすべがない状況で困惑しております。このようなケースでもお相手女性の解離性同一性障害者としての言い分は正当化されてしまうものなんでしょうか?
また、こちらから何か言えることはないものでしょうか?
林: 以下は、このメールの内容が事実であると仮定しての回答です。まずこのことに十分ご留意ください。
本件は質問者の側に一切落ち度はありません。警察は被害届が出された以上、加害者とされた質問者に事情を聴くのは当然ですが、その結果警察は「事件性なし」と判断するでしょう。ましてや起訴されることはあり得ません。
理由は質問者ご自身がおっしゃっている通りです。
あらためて指摘するまでもないことですが、性行為自体は犯罪ではありません。同意なしでなされた場合に初めて犯罪になります。このことは【3798】同級生からの性暴力にも記した通りです。
では同意の有無はどのようにして判断されるのか? これは実は非常に難しい問いです。なぜなら同意とは専ら当事者の主観の中にあり、主観を証明することはできないからです。これが他の多くの犯罪にはない、性犯罪に特有の事情になります。
証明できない主観を、では、どうやって「証明」するのか? それは様々な周辺事情から判断する以外にありません。
この観点からこの【4997】を見ますと、当該性行為がなされたときとその前後の言動は、同意があったことをかなり確実に推認させるものです。ということは質問者は、当該女性が同意していたと確信して性行為を行ったことがかなり確実に推認できます。それに対して当該女性が、あとになって、「本当は同意していなかったが、同意していたようにふるまっていただけだ」と主張しても、その主張は通用しません。そんな主張が通用したら、いかなる性行為であっても、不同意性交という犯罪であると認定できることになります。
但しここで、冒頭に述べた通り、ここまでの回答は、このメールの内容が事実であると仮定してのものです。本件に限らず、また性犯罪に限らず、被害者とされる人物と加害者とされる人物が存在するとき、どちらか一方の話を聞いただけで事実を判断するのは危険ですし、決してしてはならないことです。ですからこの回答は仮定です。警察も、質問者の話を鵜呑みにすることはありません。しかし、もし、
その後その女性の方から”今日はたのしかった、とってもシアワセです”というメッセージも届いています。
これも事実で、そのメッセージ記録がスマホ等に残っているのであれば、質問者が事実を述べているという強力な証拠になります。また、もし当該女性が警察に、「本当は同意していなかったが、同意していたようにふるまっていただけだから、不同意性交だ」と主張しても、それは不同意性交にはあたらないと警察は判断するでしょう。「本当は同意していなかったが、同意していたようにふるまっていただけ」のが仮に事実であったとしても、そうであれば質問者は「同意があったと誤認した」ことになり、客観的な状況からみて(それもまた、メールの内容が事実であることを仮定してということですが)、誤認するのは当然です。実際の性犯罪では、加害者は、「同意があったと誤認した」と嘘をつくことがしばしばありますが、本件は質問者が嘘をついているという疑いはまず発生しないでしょう。もちろんこれもメールの内容が事実なら ということですが。特に重要なのは上に引用したメッセージが残っているかどうかです。もしそれが残っていないと、質問者の警察での説明はすべて罪を逃れるための嘘であると疑われる可能性があります。
以上の通りですので、本件は質問者の側に一切落ち度はありません。警察は被害届が出された以上、加害者とされた質問者に事情を聴くのは当然ですが、その結果警察は「事件性なし」と判断するでしょう。ましてや起訴されることはあり得ません。
聞くところによるとお相手の女性は解離性同一性障害の中の”過剰同調性”という症状をお持ちの女性ということがわかりました。(その場の空気、雰囲気、相手の機嫌を損なわないような行動言動をとる人だそうです。)
この情報を質問者がどこから得たのか不明ですが、警察官が漏らしたのでしょうか。それはともかくとして、
解離性同一性障害の中の”過剰同調性”という症状をお持ち
だということが本件性行為の前に質問者にわかるはずがありませんから、質問者が性行為にあたってそのことに考慮することを期待することは不可能です。
それを言われてしまうと、仲良くやりとりしていた電話、メッセージ、行動すべて相手の都合の良いところだけ”同調しただけ”と言われることになり、私にとったら何を信じたらいいのか、、、とても悩ましい状況に追い込まれております。
悩む必要はありません。
終始やりとりすべて客観的に見れば仲の良い関係なのですが、部分的に真逆でしたと主張され、事件化されてはこちらとしては何もなすすべがない状況で困惑しております。
事件化はされません。
このようなケースでもお相手女性の解離性同一性障害者としての言い分は正当化されてしまうものなんでしょうか?
されるはずがありません。
また、こちらから何か言えることはないものでしょうか?
事実をありのままに警察にお話しください。あなたに非はありません。
(2025.11.5.)



