【4825】親に病院に行った方がいいのではないかと言われました。親の誤解を解いて自分で頑張りたいと思います。

Q: 20代男性です。
最近、親に病院に行った方がいいのではないかと言われました。
曰く、最近の言動や態度、表情がおかしいみたいです。

それからいろいろネットで調べると思い当たる症状が確かにいくつかありました。
しかし、日常生活には支障は出ておらず自分が怠けているだけだとも思え、自分でも自分が分からなくなってしまい、意見をいただきたく質問いたしました。

症状としては以下のものです。
・気分の落ち込み
将来のことを悲観的に考えてしまいます。自分にできる事なんて何もない、これから周囲に迷惑をかけて生きていくしかないならいっそ死んでしまった方がいいのではないかと考えてしまいます。
しかし、一度自殺未遂をしたっきり、怖くて行動には起こせません。加えて、その一度も確度の低い方法で、死ぬ気なんて元々なかったかもしれません。

・無気力
以前はよく本を読んでいたのですが、最近は本を開いてみても内容が入ってこず、読めなくなりました。また、日中そもそも何かをしようという気が出てこず、アルバイト以外は何かをしなければと思いつつも何もできずにただぼーっとしてしまいます。しかし、アルバイトにもなんとか行けていますし、ただ頑張ってないだけで怠けているだけなような気がします。

・人と会うのが苦しくなった
親や友人とも顔を合わせて話すことが苦痛になり、最近はなるべく自分の部屋に引きこもっています。
しかし、確かに最近は友人の誘いを断り続けていますが、ほとんど人とは関わらないアルバイトではありますが苦痛でもなんとか行けていますし、親と話すことは避けているだけで拒絶しているわけではないので病的ではないのでは思ってしまいます。

・音が煩わしく感じる
音がうるさく感じ、人の声や物音ひとつにも敏感になってしまい、ひどい時では自分で聞こうとした音楽すら煩わしく感じてしまいます。しかし、頑張れば我慢できているため問題ないのではないかと感じます。

・食欲がない
食事をしようとすると食べ物を無駄にしている感覚がして食欲が湧いてこず、ご飯を食べようと思えません。実際、一人の時は何も食べません。しかし、親にも要らないと言うのですが、親がいるときは結局用意されてしまいます。そうすると無駄にするのは申し訳ないと思い、用意されたご飯ならば食べれてしまいます。そのため、単に面倒なだけではないかと思ってしまいます。

他に睡眠は中途覚醒があるくらいでこれ以外特に症状はありません。このくらいの症状でも病院に行った方がいいのでしょうか。

だらだらとまとまりのない文章で申し訳ございません。
確かにいくつか心当たりもあり、おかしいのだろうかと思う半面、持病のことで勝手に自分が悩んでいるくらいで、別段何か苦しい環境にいる訳でもなく、それで自分なんかが精神疾患かもしれないと考えるのはただの自分の怠慢を病気にすることで言い訳しようとしているように思えて罪悪感を感じます。

はっきりとただの逃避や怠けと断じていただければ頑張れるような気がします。
そうすれば親からの誤解も解けて元に戻るように思えます。
何か御意見をお聞かせいただければ幸いです。

 

林:
病気なのでしょうか

最近、親に病院に行った方がいいのではないかと言われました。
曰く、最近の言動や態度、表情がおかしいみたいです。

このような場合、何らかの判断をするためには、客観的な所見が重要です。すなわち「最近の言動や態度、表情」の具体的内容が重要ですので、本人の主観的内容の報告だけから判断できることは非常に限られたものになります。

そうした限界があることを前提として、それでも主観的内容のご報告の範囲内で重要な点をご指摘しますと:

症状としては以下のものです。

としていくつかの症状が記されていますが、これらが
いつから起きたのか
もともとの本人の状態とどのくらい違うのか
が重要な情報です。

また

一度自殺未遂をしたっきり、

と記されていますが、その具体的な方法が重要な情報です。同じ自殺企図といっても、実際にはほとんど生命の危険がないものから、生命の危険度が非常に高いものまで様々だからです。

その一度も確度の低い方法で、

と書かれていますので、「実際にはほとんど生命の危険がないもの」であったと推定できますが、方法についての具体的記載がないので、本当に「ほとんど生命の危険がないもの」であったかどうかが不明です。

また、

はっきりとただの逃避や怠けと断じていただければ頑張れるような気がします。
そうすれば親からの誤解も解けて元に戻るように思えます。

と結びに記されていることを含め、メール全体からも、質問者が、自分は病気ではないという回答を求めていることが読み取れます。したがってこのメールの内容は、「病気ではない」という判断に傾ける強いバイアスがかかっている可能性が高いといえます。
したがって、仮にこのメールの内容が病気らしくないものであっても、それが事実を反映している可能性は低いですし、そもそもこのメールの内容は「病気らしくない」とは言えません。
ご家族からの意見に十分に耳を傾けることをお勧めします。

(2024.5.5.)

05. 5月 2024 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 自殺