【4763】自分が本当にうつ病なのか分からず、服薬が不安です。
Q: 私は社会人1年目の20代女性で、配属後から朝の強い吐き気や嘔吐、動悸が起こるようになりました。さらにその後寝付きの悪いタイプの不眠症状が加わりました。その頃から、夕方から夜寝る前にかけて強烈に「寝たくない」という気持ちにとらわれるようになり、夜になるのが怖くなりました。髪を引っ張ったり、足をたたいたりすると少しはましになります。たまに過呼吸も起こりましたが、これはすぐ治まります。パートナーに心配をかけてしまい、パートナーの睡眠を奪っていると考えただけでパニックになりそうになります。暗い部屋のなかでじっとしているとどこかへ行きたい気持ちが強くなり、夜1人で出かけそうになります（でもパートナーに散歩もだめだと言われます。わたしが死にたいとよく言うので、自殺すると思っていのだと思います）。また趣味に全く手をつけられなくなり、仕事もパソコンを開くだけで動悸がしました。
そこで会社を少し休ませてもらうことになりました。寝付きの悪さは解消せず、3時～4時くらいになってようやく眠れると、今度は起きるのが11時～13時になってしまいます。起きてもしばらくやる気が出ず、ずっとベッドにいます。朝ごはんは食べられず、昼ごはんも作る気になれないので、食べられそうな日はゼリーを食べます。ただ、17時頃になると、日によっては歯磨きをしたり洗濯をしたり、少し手が震えますが家事ができる場合もあります。またパートナーが仕事帰ってきてしばらくすると、とても明るい気持ちになれることも多いです。
パートナーや会社の人の薦めで臨床心理士の方のカウンセリングに行きました。
そこで聞かれたことに答えようとしたのですが、何から話してよいか分からず、延々と考えてしまう上に、言葉がなかなか出てきませんでした。話すのがとてもおっくうに感じただけで、もっと私が頑張ればちゃんと話せたと思います。その様子から「抑うつ状態です」と言われました。でもパートナーとは大体普通に話せます。パートナーもうつ病ではないのでは？と疑っている気がします。
行動療法を試すよう言われてしばらくして、もう一度カウンセリングに行きました。行動療法の結果はどうだ？と聞かれましたが、あまり実践できていなかったのを責められているように感じました。でも睡眠時間を伸ばすのは実際にできたので、「少しよくなりました」と答えました。すると、病院には行かず様子を見ましょうと言われました。やっぱりわたしの症状はうつではなく、ただのサボり癖の酷いものだったのだと思いました。会社の人にとても申し訳ない、きっとどうしてこんな人を採用したのかと後悔しているだろうと思いました。
しかし、その頃には休職すると決めていたため、診断書が必要で、心療内科に行きました。やっぱり頑張ることはできず、自分で症状を話せませんでした。頭がモヤモヤする気がするのと、悔しくて泣きそうになります。本当は頑張ればできたと思います。でもなんとなく口が開きませんでした。代わりにパートナーが話してくれましたが、先生が「話せないのはかなり酷い症状です」と仰って、薬を出してくれました。抗うつ剤と、不安の薬と、睡眠導入剤と、吐き気止めです。
確かに私は不安定なところもありますが、本当にうつ病なのでしょうか。気分が楽なときもありますし、もっと辛くならなくてはうつ病とは言えないのではないでしょうか。夕食も食べられるし、8～9時間ほど眠れます。パートナーはもちろん、実家の家族とも普通に話せます。健常な人が精神薬を飲むと、色々影響があるネットで調べました。このまま薬を飲んでよいのかとても不安です。今日も寝る前に睡眠導入剤を飲みましたが、全く効き目がなく、眠れません。やはりわたしの症状はちょっとした体調不良なのではないでしょうか。休むことはずるではないとパートナーは言ってくれますが、他の同期はしっかり働いています。とても罪悪感を感じます。
林: うつ病の可能性は高いと思います。理由は以下の通りです。しかし仮にうつ病でなかったとしても、今の状態は仕事を休んで療養に専念すべきレベルです。そうすれば症状は十分に回復することが期待できます。
うつ病の可能性が高いと判断できる理由は次の通りです:
配属後から朝の強い吐き気や嘔吐、動悸が起こるようになりました。さらにその後寝付きの悪いタイプの不眠症状が加わりました。
うつ病の発症のときの症状としてひとつの典型的なパターンです。
パートナーに心配をかけてしまい、パートナーの睡眠を奪っていると考えただけでパニックになりそうになります。
自分の不調よりも他の人への迷惑について強い罪悪感を持つのはうつ病として典型的です。
また趣味に全く手をつけられなくなり、仕事もパソコンを開くだけで動悸がしました。
うつ病として典型的です。
そこで会社を少し休ませてもらうことになりました。寝付きの悪さは解消せず、3時～4時くらいになってようやく眠れると、今度は起きるのが11時～13時になってしまいます。起きてもしばらくやる気が出ず、ずっとベッドにいます。
うつ病の睡眠障害は様々な形で現れます。早朝覚醒が最も典型的ですが、それ以外の現れ方も稀ではありません。
朝ごはんは食べられず、昼ごはんも作る気になれないので、食べられそうな日はゼリーを食べます。
うつ病として典型的な食欲低下です。
ただ、17時頃になると、日によっては歯磨きをしたり洗濯をしたり、少し手が震えますが家事ができる場合もあります。
夕方になると少しよくなるという形の日内変動はうつ病として典型的です。
またパートナーが仕事帰ってきてしばらくすると、とても明るい気持ちになれることも多いです。
何かに反応して一時的によくなるのはうつ病として典型的です。また、「とても明るい気持ちになれることも多い」が実際にはどの程度かが本当は問題で、自分がうつ病であることを認めたくないうつ病の人は、ほんの少しでも自分に良い精神状態の時があると、それを誇張して述べることがよくあるものです。
話すのがとてもおっくうに感じただけで、もっと私が頑張ればちゃんと話せたと思います。
不調は自分の努力が足りないせいだと考えるのはうつ病として典型的です。
やっぱりわたしの症状はうつではなく、ただのサボり癖の酷いものだったのだと思いました。
うつ病ではないという理由をあれこれ探して、少しでも心あたりがあると「やっぱり私はうつ病ではない」と考えるのはうつ病として典型的です。
会社の人にとても申し訳ない、きっとどうしてこんな人を採用したのかと後悔しているだろうと思いました。
うつ病に典型的な自責感です。
しかし、その頃には休職すると決めていたため、診断書が必要で、心療内科に行きました。やっぱり頑張ることはできず、自分で症状を話せませんでした。頭がモヤモヤする気がするのと、悔しくて泣きそうになります。本当は頑張ればできたと思います。
不調は自分の努力が足りないせいだと考えるのはうつ病として典型的です。
気分が楽なときもありますし、もっと辛くならなくてはうつ病とは言えないのではないでしょうか。
少しでも良い時があると、自分はうつ病ではないと考えるのはうつ病の典型的な思考です。
今日も寝る前に睡眠導入剤を飲みましたが、全く効き目がなく、眠れません。
うつ病では睡眠導入剤が効きにくくなることはよくあります。
やはりわたしの症状はちょっとした体調不良なのではないでしょうか。
根拠がありません。
休むことはずるではないとパートナーは言ってくれますが、他の同期はしっかり働いています。とても罪悪感を感じます。
うつ病に典型的な罪悪感です。
以上の通り、あなたはうつ病の可能性が高いです。しかし仮にうつ病でなかったとしても、今の状態は仕事を休んで療養に専念すべきレベルです。そうすれば症状は十分に回復することが期待できます。
(2023.12.5.)
