【2503】無価値感はうつ病の症状なのでしょうか‏

Q: 40代男性です。小さい頃から、何かわけのわからない憂うつ感に襲われることがありました。そんな憂うつ感が強くなると、頭が痛いなどと言って学校をずる休みすることがありました。思春期の頃には自分がつまらない人間だという思いが強くなり、漠然と死にたいという気持ちもあったように思います。自分という人間がまったく価値のない、取るに足らない人間であるという信念がずっと頭にありました。 高校に入ると新しい環境になじめず不登校になり、両親に精神科に連れていかれました。なんとか卒業はできたものの特にしたい仕事や目標があるわけでもなく、ただ田舎を離れたくて遠方で仕事を見つけ生活していました。 20代は比較的安定した時期でしたが、時々ひどく憂うつになって閉じこもりたくなる癖はなくならず、人間関係も深まらず長続きもせず、2、3年おきに仕事を変わりました。30歳のときリストラにあい(これが私の無価値感をさらに強化しました)、なんとかアルバイトを始めましたが、やはりそこでも人間関係を作ることができず、憂うつ感で仕事も続かず、何度ももう死のうかと思いました。1、2年働いては辞め精神科に通院する、というようなことを30代のうちに何度も繰り返しました。 それでも自分なりに努力をして、将来につながる仕事に就くことができ、この時は非常にうれしかったのですが、私には能力不足の仕事で逃げるように退職し、自殺を図って精神科に入院しました。それが1年ほど前のことで、うつ病と診断されています。 現在は家に戻り精神的には落ち着いていますが、先のことを何も考えられず、数少ない友人からの連絡にも応える気持ちになれず、この先何の望みもないことを実感するとやはり死んだほうが良かったのか、などと考えてしまいます。 私の主治医は必要以上に薬の処方はしない方針のようで、食事や睡眠が取れるようになり体重も増えてくると抗うつ剤や安定剤は徐々に減らされ、今は何も服用していません。もしまた憂うつ感や不安感が強くなったら受診するように、と言われています。私の被害妄想かもしれませんが、あなたのは病気じゃなくて甘えだと言われてるような気がして、病院に行きづらくなりました。通院している間にカウンセリングも受けましたが、話してるうちにますます自分がつまらない人間であるという思いが強くなり、つらくなってやめてしまいました。 入院した時と比べると回復しているように思えますが、昔からの憂うつ感や無価値感が今もますます私の心の中で大きくなっており、これは薬を服用しても消えません。何の仕事をしても結局一人前になれなかったという思いや職場で受けた叱責、人間関係上の失敗の記憶が頭の中で何度も何度もよみがえり、また社会に出ることが怖くてたまりません。 うつ病や精神疾患に関する本もたくさん読んで、自分はいったいどんな状態なのか、どうすればこの状況から脱することができるのかを見つけようとしましたが、自分が病気なのか単なる性格の問題なのかわからず、誰に助けを求めてよいのかわからず、自分がまったく無駄な存在に思えてしまい、とても苦しいです。

 
林: 子ども時代からの経過を拝見すると、診断は容易でないケースといえますが、結論としては うつ病と考えていいと思います。精神科で治療を受け続けるべきです。ご質問タイトルの無価値感は、うつ病の症状です。

あなたのは病気じゃなくて甘えだと言われてるような気がして、病院に行きづらくなりました。

そんなことはありません。つまりそんなことを言われているわけでもなければ、甘えというわけでもありません。精神科で治療を受けてください。

(2014.1.5.)

05. 1月 2014 by Hayashi
カテゴリー: うつ病, 精神科Q&A