【4649】双極性障害かもしれないと思う一方、自分の性格の問題を病気のせいにして楽になろうとしているのではないかと思うと気が引けます
Q: 私は30代の女性です。
7年前にうつ病と診断され仕事を辞め、半年ほど通院治療を受けている間はなかなか症状が良くなりませんでした。
しかし、処方の抗うつ薬が変わったら急激に良くなり通院と服薬をやめてしまい、そこからハイテンションな日々を1年近く過ごしました。その間に家族カードで数百万円の買い物、自分のカードでキャッシングしまくりカード利用停止、家族に借金するなど金銭面でのトラブル、過去の友人に連絡しまくる、連日夜遊びして数多くの異性と肉体関係を持つなどの出来事がありました。このときは徹夜で遊び、朝帰ってきて昼まで寝て、また夜にごはんを食べに出掛けるというような生活パターンでした。
ですが、特に通院や服薬はせず、自然と治りました。
それからはA社で2年半正社員として働きました。昇格の話もあり、このままここで定年まで働き続けるんだろうなと思っていたのですが、苦手な先輩から理不尽な理由で怒られたことをきかけにあっさり辞めてしまいました。周りの方々にはとても残念がられました。
新しい職場B社では、毎日自分の出来の悪さを恨み、皆が自分を不要な人間だと思っていると信じて疑わず、自殺の方法を調べるなどメンタルが不安定になり4ヶ月で辞めました。(これが2年前の話です)
今は別の会社C社で2年ほど働いています。そこで1度だけ後輩を泣かせたことがあります。そのときの私は常にイライラしており、「なぜこんなこともできないんだ」「あまりにも仕事が遅すぎる」などと後輩を叱責したことが原因です。A社にいたときは「○○さん(私)は謙虚で人当たりの良い人」などと評価されていたので、まさか自分が対人トラブルを起こすなんて思いもしませんでした。ですが、たしかにちょっと言い過ぎたとは思いますが、このときは本当にその後輩の出来が悪かったせいだと思っていますし、私の方からきちんと謝罪して、今は笑って話せるほど良好な関係を取り戻しています。
また、買い物が好きで浪費癖があり、ごくたまに月収以上の買い物をしてしまうときがあります。(高いものをドーンと買うというより、いろいろ買っていたら想像以上に使いすぎていた…という感じです)出掛ける予定もないのに何着も服を買い込みます。でも元々服は好きなので、特に病的とは思いません。 ただ、せっかくコツコツ貯めた貯金を使い込んでしまったりすると「いい歳して貯金もできないなんて、自分はなんてダメな人間なんだ」と落ち込みます。
なお、7年前のうつ病発症以前に軽躁状態だったことがあります。平日は朝から晩まで仕事をし、休日は寝る間を惜しんで遊回っている私を見て、親が「いつもの○○(私)じゃない」と
心配していたようです。
いろいろ調べてみると双極性障害の症状に当てはまることが多いように思いますが、元々の自分の性格のようにも思います。
ここに書くほどではない程度の軽いうつ状態(無気力、憂鬱、死念慮等)はしばしばありましたが、躁状態については、数百万の買い物をしたそのとき1回だけしか思い当たりません。
数ヶ月前にすごく元気になり、毎週末出掛けたり睡眠時間が短くても平気だったときが1ヶ月ほどありましたが、これは軽躁状態だったのでしょうか?(普段はインドア派です)このときはフェ巡りにはまり、休みのたびにカフェに行き、家で家族におしゃれな料理を振る舞い「自分はカフェを開く」などと言っていました。カフェ経営について調べたりもしていましたが、今は熱が冷め、カフェをやりたいとは思っていません。
その後、体調を崩したことでメンタルも落ち込み、1週間会社を休みました。
ただ熱しやすく冷めやすいだけ、お金の管理が苦手、外面はいいが本当は腹黒い性格、慣れないことをしたから体調を崩しただけと言われたら、病気ではなくただの個人の性格の問題にも思えます。
私は双極性障害の可能性があると言えるでしょうか?精神科を受診した方がいいでしょうか?
自分の性格の問題を病気のせいにして楽になろうとしているのではないかと思うと気が引けます。
長くなってしまい申し訳ありません。ご回答いただけますと幸いです。
林: あなたは双極性障害にほぼ間違いないと思います。精神科で双極性障害の治療を受けてください。
7年前にうつ病と診断され仕事を辞め、半年ほど通院治療を受けている間はなかなか症状が良くなりませんでした。
しかし、処方の抗うつ薬が変わったら急激に良くなり通院と服薬をやめてしまい、そこからハイテンションな日々を1年近く過ごしました。
この経過、すなわち、うつ病と診断されて治療を受けているうちに躁状態が現れるという経過は、双極性障害としての一つの典型的なパターンです。
但しこの場合、抗うつ薬の副作用による躁状態という可能性(というより解釈)もありえますが、この【4649】の質問者の経過からみて、躁状態は一時的なものとは認められませんので、薬の副作用という可能性は否定できます。また、ここまでの躁状態が薬の副作用として現れることはまず考えられません。
その間に家族カードで数百万円の買い物、自分のカードでキャッシングしまくりカード利用停止、家族に借金するなど金銭面でのトラブル、過去の友人に連絡しまくる、連日夜遊びして数多くの異性と肉体関係を持つなどの出来事がありました。このときは徹夜で遊び、朝帰ってきて昼まで寝て、また夜にごはんを食べに出掛けるというような生活パターンでした。
ですが、特に通院や服薬はせず、自然と治りました。
「ここまでの躁状態」とは上の状態を指しています。自然に治ることも、双極性障害では十分にありうることです。治ったというより、躁状態やうつ状態がおさまる、というのが正確な表現で、その後にまた再発することがほぼ確実ではあります。
躁状態については、数百万の買い物をしたそのとき1回だけしか思い当たりません。
双極性障害の方の多くは、ご自身の躁状態を軽視しているものです。さすがにこのように「数百万の買い物をした」ことは躁状態であったと自認していても、それ以外の躁状態(現にこのメールに書かれているエピソードを指します。それらを質問者は病的なものとはみなしていないようですが、双極性障害の躁状態ないしは軽躁状態であることがほぼ確実です)
精神科を受診し、双極性障害の治療を受けてください。
(2023.3.5.)