【4615】精神科ですべてを話したら統合失調症などと診断されるのではないかと不安です

Q: 私は30代の女です。私は精神の病気ではないかと不安でメールさせていただきました。 父親が統合失調症で、私が1歳の頃に症状が悪化(赤ちゃんの私が悪口を言っていると思って怒鳴ったり)したそうで、両親は離婚しています。以後会ったことはなく3年前に亡くなったそうです。 私は子供の頃から心配症で、すぐ不安になります。クラス替えが大嫌いで、冬になってやっと慣れた頃にまたクラス替えなので心が休まりませんでした。中学は登校拒否児でした。しかし高校で友達に恵まれ、バイトをしたり、大学に進学してサークルに入ったり、就職も決まって人並みの生活を送れていたとおもいます。 でもやっぱり普通よりも心配症であることが、生きづらさを感じさせます。すぐ疑ったり悪く捉えたりするので恋愛も続きません。それがこの1、2年で酷くなりました。特に去年、会社で社員に罵倒されたことがありました。みんなが私を嫌っている、とのことでした。昔から人に、被害妄想が強いだとか少しおかしい、変わってると指摘されることがありましたが、その日から尚のこと周りの目が怖くなりました。 社員はもちろん、友達も本当は友達と思っていないに違いないと思い込みました(これについては親友が話を聞いてくれ、社内にも数人、事情を聞いてくれる人がいるので、今は会社でのひそひそ話が気になる程度に落ち着きました)。しかし実際に嫌がらせも続いているので、「自分はやっぱりどこかおかしいから嫌がらせされるんだ。でも酷いなあ・・」とやるせない気持ちや憎しみにとらわれて頭がいっぱいのまま仕事をすることもあります。 また、先日男性に振られて激しく落ち込むことがありました。意味なく落ち込むことは生理前によくあるのですが、今回は原因もあってのことだからか落ち込みが激しく、誰も自分を必要としていない!という気持ちが強くなり衝動的に何かをしそうで苦しく、カウンセリングへ行ってみようという気になりました。  そのカウンセリングで、子供の頃の体験を思い返すに至りました。
8歳のころから、親が夜の仕事にいくのでコンビニ弁当を食べることが多く、家は荒れ放題で汚れた服を着続けていました。入浴や歯磨きをする習慣がなく虫歯だらけでした。親はいつも無表情でよく怒られていた気がします。楽しい思い出がありません。母が付き合っていた男が夜中に、家のガラスを突き破って侵入し、母の首を絞めるということもありました。そういうことが良くありましたので近所が通報してくれて大事には至りませんでしたが、今でもそれを思い出すと恐ろしくていやな気持ちです。 しかしそれらは普通の家庭のことだと思っていました。親もただ感情表現が少なく放置主義の人間なんだろうと思っていました。 それが、カウンセリングでゆっくり考えてみたところ、ふつうの家庭ではないのでは?母親もなにか病気なのでは?もしくは私が嫌いなのでは?と思い不安になり、小さい頃から孤独だったんだと悲しくなりました。そういうことをネットで調べるうちに「インナーチャイルド」という言葉を知り、自分はやっぱり普通の人とは違うのだ しかも30になるまで気づかないなんてどこかおかしいのだとものすごく不安になりました。常に理由もなく不安を感じていたり被害妄想が多いのは、子供の頃の体験が原因なのだろうと思い、その一方で、カウンセリングを受ける前はその生活を普通のことと思っていたのだからやっぱり考えすぎなのだろうか。と思い、あーだこーだ考えるうちにいろんな支離滅裂な考えが次々に押し寄せて「わーーーっ!」となります。 この「わーっ!」は、一年前に親と同居していたころにもよくあり、親の借金や親の恋人との同居の問題や兄弟の引きこもりのことなどを延々考えるうちに思考が止まらなくなり「わーーーーー!」と声が出そうになったり頭が禿げるように感じて髪をかきむしりたくなったりしました。同時に動悸や不眠も続いたり子宮を病んで手術を受けたりしたので、家族と離れようと思い家をでて、一人暮らしを始めた今はそういう症状はありません。ただ、親を捨てたような気がして罪悪感があり、毎日思い出して辛い気持ちになります。
カウンセリングにはまだ一度しか行っていませんが、カウンセリングに行ってから不安が強まったことをメールで伝えたところ、精神科へ一度行ってみることを勧められ、行ってみましたら「不安障害」と診断されました。しかしここに書いたようなことを全て話す時間がなく、キチンと話したら本当は「統合失調症」や「人格障害」や「うつ病」やもしくは他の病気だと診断されたのではないかとかえって不安で、それに関するネットや本を延々と読んでしまいます。 先生、私は何か精神の病気ではないですか? 父親の遺伝がありませんか? 小さい頃、ふと自分が何をしているかわからなくなり「あれ?」となることがたまにありました。一日中続くわけではないのですが身体の感覚がぶわぶわしたようになり不快なのが嫌で、一度親に話したら怒られたので我慢するようになりました。大人になってからはそういうことはありません。また、直前にあった会話や出来事から妄想を広げて本気で怒ったりぼーっとしたりしてハッ!と現実に戻ることが高校くらいからよくあります。 先生、私はただの考えすぎで不安症なだけですか?そうだったらいいです。 長くなってしまいましたが読んでいただけいたら嬉しいです。ありがとうございました。

 

林: お父様が統合失調症であったこと、それに加えて、生育環境にかなり問題があったこと。質問者の背景は、単純化するとこの二つに集約されます。そして現在は、不安や猜疑心が強く、一部は被害妄想に近いともいえる状態です。
このような場合、現在の精神状態の原因は、質問者が心配されているようなお父様からの遺伝と、生育歴の影響の両方が考えられ、どちらか一方というより、両方が関与していると考えたほうがいいでしょう。
すでに一回は精神科を受診されたとのこと、今後、定期的に通院されることをお勧めします。

キチンと話したら本当は「統合失調症」や「人格障害」や「うつ病」やもしくは他の病気だと診断されたのではないかとかえって不安で、それに関するネットや本を延々と読んでしまいます。

それは最悪の方法ですのでやめたほうがいいです。余計な情報を取り入れず、通院を続けるべきです。

(2023.1.5.)

05. 1月 2023 by Hayashi
カテゴリー: 不安障害, 精神科Q&A, 統合失調症 タグ: |