【2490】不当に医療保護入院させられないためにはどうしたらいいでしょうか
Q: 私は20代男性です。医療保護入院について、質問がございます。
【現状】
私の母親と母方の祖母（要するに母親の母親）が統合失調症です。統合失調症の母親に育てられ、父は母を嫌って家を空けがちだったため、私自身も精神的に変調をきたしたことがあり、二十歳前後で任意入院したことがあります。その際、病名は統合失調症でした。
そのとき、叔母（母の妹）の強い勧めで、自立支援と障害者手帳の手続きをしました。（正確には叔母が手続きをすると言うので、委任状に署名捺印）
その後、治療を終え、ここ7年ほど、特に問題なく生活しています。仕事もありますし、友人もいます。友人の一部は、私の既往歴について知っていますが、特に問題なく親密な付き合いが継続している状態です。
ちなみに今現在、障害者手帳は失効、特に通院などもありません。
【問題】
叔母は自分たちの家系に精神病者が多いことを非常に嫌っており、私が精神的に変調をきたした際に手帳などの手続きを勧めたのも“公的な病気の証拠を残して、就職や結婚をさせないようにしたかった”という理由からだったようなのです。
ここ数年、私が普通に生活しているのを快く思っておらず、何度か「障害者が仕事をするなんて迷惑だから、潔く自分から辞めるべき」「友人づきあいも相手に迷惑だから、縁を切りなさい」といった発言をされています。
そして終いには「あんまり逆らうようなら医療保護入院だね。親族が強く言えば、症状が出てなくても入れてくれる病院はたくさんある。第一、病歴があるお前が反論したって、全部妄想ということで片付けられて、医者も話なんか聞いてくれない。何もかも、こちらの気分次第なんだ」と言われました。
叔母は、医療保護入院の手続きなどに詳しく、2度にわたって私の母を医療保護入院させています。正直、母は明らかに精神病でしたが、人に危害を加えるといったレベルではありませんでした。（私の知る限りでは、ということですが）強制的な入院の必要があったかというと、正直疑問が残ります。
そのため、これから先、叔母の機嫌を損ねただけで医療保護入院を余儀なくされるのではないかと、不安を感じています。もしかすると、伝え方によっては簡単に医療保護入院が認められてしまうのではないか…という不安です。
実際、叔母から私の父へ「入院させるべきだと思うから協力してくれ」という電話が入ったこともあったそうです。（父が拒否した上で、私に知らせてくれました）
一応、身を守るため、特に親しい友人数人には事情を話し、万一の際には、今現在、私が問題なく生活しており、とても病気には感じられないということを証言してくれるという約束は取り付けています。もちろん、父も協力してくれるはずです。
【質問】
以上を前提に、質問をさせて頂きます。
1.叔母が私を医療保護入院させようと手続きを取った場合（＝民間移送業者を利用して病院に移送された場合）、私は入院となる公算が高いのでしょうか？
2．2014年4月に施行される法律により医療保護入院制度が変わるそうですが、このことが私の抱えているリスクにどの程度の影響を及ぼしうるでしょうか？
3．親族関係にない友人らの証言が結果に影響を与える望みはあるでしょうか？
4．自分の安全を図るために、何か私が出来ることはあるでしょうか？
お忙しいところ恐縮ですが、以上、ご回答願えれば幸いでございます。
私の状況説明が基本的に事実に即しており、かつ叔母の私に対する悪感情が最大限に強いという前提でお聞かせ願えると助かります。
どうか、よろしくお願い申し上げます。
林:
私の状況説明が基本的に事実に即しており、かつ叔母の私に対する悪感情が最大限に強いという前提でお聞かせ願えると助かります。
まずはこの前提に従って回答いたします。
この前提に従えば、叔母様の行為は、医療保護入院という制度の悪用です。悪感情を理由に、人を強制入院させるようなことがあっていいはずがありません。
1.叔母が私を医療保護入院させようと手続きを取った場合（＝民間移送業者を利用して病院に移送された場合）、私は入院となる公算が高いのでしょうか？
上記、「叔母が私を医療保護入院させようと手続きを取った場合」と「民間移送業者を利用して病院に移送された場合」はイコールで結ぶことはできませんので、別々にお答えします。
叔母が私を医療保護入院させようと手続きを取った場合、私は入院となる公算が高いのでしょうか？
叔母様がいくら質問者を医療保護入院させようとしても、医師の診断がなければ医療保護入院させられることはあり得ません。
民間移送業者を利用して病院に移送された場合、私は入院となる公算が高いのでしょうか？
民間移送業者が、医師の診断なしに、人を病院に移送すればそれは違法です。したがって、「民間移送業者を利用して病院に移送された」場合は、すでにその前に何らかの形で医師の診断が下っているとみるべきです。であれば、入院の公算は高いといえます。というより、ほぼ確実に入院になるでしょう。
2．2014年4月に施行される法律により医療保護入院制度が変わるそうですが、このことが私の抱えているリスクにどの程度の影響を及ぼしうるでしょうか？
ご指摘の通り、2014年4月に予定されている一つの大きな変化として、医療保護入院の見直しがあります。現在(2013年)には、「保護者の同意」が必要とされていましたが、これが「家族等の同意」に変更されます。けれども、この変更が、実質的にどのようなものになるか、まだ見えていないのが現状です。したがってこのご質問への回答は「わかりません」になります。
3．親族関係にない友人らの証言が結果に影響を与える望みはあるでしょうか？
「結果」というのは、入院を指しておられるのでしょうか。であれば、「あまりない」というのが回答になります。しかし、質問者がこのメールで述べることがすべて事実で、そして質問者が不当に入院させられるという事態が発生した場合には、速やかに退院させていただき、かつその後の適切な対応において、友人の協力は大いに役立つでしょう。
但し、
万一の際には、今現在、私が問題なく生活しており、とても病気には感じられないということを証言してくれるという約束は取り付けています。
そのような証言にはほとんど意味がありません。友人からみて、「問題なく生活しており、とても病気には感じられない」であっても、実際は入院を要するレベルの症状であることは十分にあり得るからです。
4．自分の安全を図るために、何か私が出来ることはあるでしょうか？
精神科を再受診されることだと思います。
以上が、
私の状況説明が基本的に事実に即しており、かつ叔母の私に対する悪感情が最大限に強いという前提でお聞かせ願えると助かります。
この前提に従っての回答です。
以下は、この前提を外した回答です。
私の母親と母方の祖母（要するに母親の母親）が統合失調症です。統合失調症の母親に育てられ、父は母を嫌って家を空けがちだったため、私自身も精神的に変調をきたしたことがあり、二十歳前後で任意入院したことがあります。その際、病名は統合失調症でした。
入院して統合失調症と診断された以上、質問者は統合失調症である可能性が最も高いです。家族内に統合失調症の人が複数いらっしゃることも、この診断を側面から支持するものです。
そのとき、叔母（母の妹）の強い勧めで、自立支援と障害者手帳の手続きをしました。
適切な手続きだったといえます。
その後、治療を終え、ここ7年ほど、特に問題なく生活しています。仕事もありますし、友人もいます。友人の一部は、私の既往歴について知っていますが、特に問題なく親密な付き合いが継続している状態です。
現在の質問者に問題がないかどうか、本人の申告だけでは判断できません。つまり、問題はないかもしれないし、あるかもしれないということです。
ちなみに今現在、障害者手帳は失効、特に通院などもありません。
通院していない理由が不明ですが、仮に自己判断だとすれば、危険な状態だといえます。再発の危険、もしくは、現在すでにかなりの症状があるという危険です。
叔母は自分たちの家系に精神病者が多いことを非常に嫌っており、私が精神的に変調をきたした際に手帳などの手続きを勧めたのも“公的な病気の証拠を残して、就職や結婚をさせないようにしたかった”という理由からだったようなのです。
「という理由からだったようなのです」とのことですが、そのように推定した根拠が書かれていませんので、わかりません。その推定は正しいかもしれないし、妄想かもしれません。
ここ数年、私が普通に生活しているのを快く思っておらず、何度か「障害者が仕事をするなんて迷惑だから、潔く自分から辞めるべき」「友人づきあいも相手に迷惑だから、縁を切りなさい」といった発言をされています。
これも事実か否か不明です。そのように発言していることは事実かもしれないし、事実でないかもしれません。事実だとしても、ニュアンスがかなり違うかもしれません。
叔母は、医療保護入院の手続きなどに詳しく、2度にわたって私の母を医療保護入院させています。正直、母は明らかに精神病でしたが、人に危害を加えるといったレベルではありませんでした。（私の知る限りでは、ということですが）強制的な入院の必要があったかというと、正直疑問が残ります。
お母様の入院が適切なものだったのか、適切でなかったのか、わかりません。医療保護入院は、「人に危害を加えるといったレベル」の方のためのものではないので、「人に危害を加えるといったレベル」でないからといって、医療保護入院が不適切だったかどうかわかりません。
実際、叔母から私の父へ「入院させるべきだと思うから協力してくれ」という電話が入ったこともあったそうです。（父が拒否した上で、私に知らせてくれました）
この電話が適切なものであったか、適切でないものであったか、わかりません。仮に質問者が客観的にみて入院すべき精神状態であり、かつ、質問者自身に病識がなければ、叔母様がお父様に協力を依頼するのは自然です。
一応、身を守るため、特に親しい友人数人には事情を話し、万一の際には、今現在、私が問題なく生活しており、とても病気には感じられないということを証言してくれるという約束は取り付けています。
友人からみて「問題なく生活しており、とても病気には感じられない」ということは、入院すべき精神状態でないという根拠にはなりません。
また、仮に、友人からみて、「問題なく生活しており、とても病気には感じられない」などいうことは決してなく(つまり、大いに問題があり、どうみても病気と感じられる)、かつ、その本人から「問題なく生活しており、とても病気には感じられない」と連絡があった場合、適当に受け流すのはよくあることです。そして連絡した本人のほうは、友人は自分の主張を認めてくれたと受け取ることはよくあることです。
以上、
私の状況説明が基本的に事実に即しており、かつ叔母の私に対する悪感情が最大限に強いという前提でお聞かせ願えると助かります。
この前提に従った回答と、この前提を外した回答を記しました。どちらか正しいかはわかりません。
(2013.12.5.)
