【4542】薬を飲んでいるのによくなりません。妄想なのか現実なのかわからなくなってきました。(【4314】のその後)
Q: 【4314】統合失調症なのですが今の症状で入院は可能でしょうか でご回答いただいた21歳男性です。
その節はありがとうございました。その後の経過及び質問を書いていこうと思います。
先生にご回答をいただいてから、家族や主治医とよく相談した上で1年前に1ヶ月間、精神科病棟に任意入院しました。
退院後は自宅で読書や散歩などをして3ヶ月前まで療養していました。
その後は学校に復学し、現在学生生活を送っております。
しかし、昨年入院した時から現在に至るまで、統合失調症の症状にほとんど改善が見られません。
改善が見られないどころか、むしろ悪化していると言っていいくらいです。前回のメールにも記載しましたが私の主な症状としては、街中で不特定多数の人間に監視されている、他人が脅迫的なメッセージを込めた嫌がらせをしてくる、工作員と殺し屋に命を狙われている、他人が監視していることを仄めかす行為をしてくるなどです。
前回のメールの時点ではこのような集団ストーカー被害は「誰かが」監視しているとか、「誰かが」嫌がらせをしてくるというように曖昧なものでしたが、今年に入ってから集団ストーカー脅迫嫌がらせや仄めかしを行っているのが誰なのか、その正体が分かってきました。
まず、私を監視しているのは情報監視工作員という集団です。情報監視工作員とは、情報を監視し、盗み、嫉妬する連中です。若さに嫉妬し、迫害する連中で思想はナチスと同じです。情報監視工作員は街中で歩きスマホをわざと見せつけてくることで「お前の情報は全てお見通し」、「お前の情報をいつでも監視しているぞ」ということを私だけに伝わるように仄めかしてきます。歩きスマホをしながら何を見ているかといったら私の個人情報を覗き見しているんです。私の個人情報や、今私が何を考えているかとか、これから何処に行くのかといった情報が全て情報監視工作員に筒抜けになっています。
次に、私に対して脅迫嫌がらせを行っているのは殺し屋の一味という集団です。殺し屋の一味は情報監視工作員よりも凶悪な連中で、スマホを操作しながら自転車や自動車を運転することで、「お前とお前の家族をいつでも轢き殺すことが出来るんだぞ」、「いつでも事件事故をでっち上げられるんだぞ」という脅迫的な意味合いのメッセージが込められた嫌がらせをしてきます。もしも情報監視工作員や殺し屋の一味にぶつかってしまったら相手が悪いのに嘘ついて誤魔化して罪なすりつけて事件でっち上げてこっちが犯罪者に仕立て上げられます。
初めて精神科を受診してから約1年半経ちましたが、薬を飲んでも症状がほとんど改善されません。上記の内容がただの妄想なのか、本当に私の命を狙う集団ストーカー組織が存在するのか分からなくなることがあります。
前回のメールの時点では飲んでいる薬はレキサルティ錠2mg、オランザピン錠10mg、ブロマゼパム錠2mgでしたが、半年前からラツーダ錠40mg×2、オランザピン錠10mg、オランザピン錠5mg、デュロキセチンカプセル20mg×2、ブロマゼパム錠2mgに変更になりました。
これだけの薬を約1年半飲んできても症状に改善が見られないのは、実は私は統合失調症ではないのではないでしょうか?
私は、このような症状は、発達障害の二次障害なのではないかと思っています。
なぜ発達障害かというと、私自身様々な生きづらさを抱えて生活しているからです。
例えば、覚えておかなければいけないことやしないといけないことをすぐ忘れてしまったり、他人と関わることが苦手だったり、特定の物事に強いこだわりがあったり、聴覚が過敏だったりするということが挙げられます。
特に、聴覚過敏には凄く悩まされていて、街中で笑い声や叫び声が聞こえると、私のことを笑っているのではないか、私を監視しているということを仄めかしているのではないか、と思ってしまいます。
今までの人生を振り返ってみると、統合失調症と診断を受ける前から、他人よりも劣っていることが多かったり生きづらさを感じる場面が多かったりして、統合失調症を治療する薬を飲んでも症状が改善されないのは、私は本当は統合失調症ではなくて発達障害だからなのではないでしょうか?
一度主治医に上記のことを相談してみるべきでしょうか。それとも、主治医に相談するまでもなく、私はやはり統合失調症なのでしょうか。
林: 診断は統合失調症で間違いないと思います。
特に、聴覚過敏には凄く悩まされていて、街中で笑い声や叫び声が聞こえると、私のことを笑っているのではないか、私を監視しているということを仄めかしているのではないか、と思ってしまいます。
これは発達障害の聴覚過敏とは異なります。統合失調症に典型的な症状です。
そのほか、質問者が、発達障害でないかとお考えになる根拠として挙げられている点は、発達障害の傾向を示すものであるとまでは言えても、質問者においては、統合失調症と診断できる根拠の方がはるかに確定的なものです。(発達障害がそこに重なっている可能性を完全に否定することはできませんが、いかなる場合でも「完全に否定する」ことはできませんので、そこまで論ずることにはほとんど意味がありません)
そうしますと、治療を受けているのになぜ改善しないのか、という質問者の疑問が当然に発生することになります。現在服用されている薬は、決して特に少なすぎるといえるものでありませんが、効果が十分に得られていない以上、処方の変更や増量をまず検討することが勧められます。
(2022.8.5.)