【4513】胸の圧迫感と呼吸困難感
Q: 20歳女です。
2年前から気管支喘息の既往があり、1週間ほど前から息苦しさを感じ始めました。
呼吸器科でステロイドの処方を受けましたが、改善せず、胸の圧迫感と呼吸困難感で夜眠ることができなくなりました。その後心電図やレントゲンの検査を受けましたが異常はなく、現在ステロイド治療を継続しています。
現在の症状は 眠れないくらいの胸の圧迫感と呼吸困難感(24時間ありますが深夜の3時頃が1番ピークに感じます)、たまに冷や汗や微熱が出る、喉が乾きやすいような気がする です。
兄弟、従兄弟、叔父に1人ずつうつ病を経験した人がいるので、自分もうつ病なのではないかと感じましたが、今のところ落ち込みや悲しさなどはなく、最近大きな悲しい出来事などもありませんでした。
人と話す時にも笑顔で今までと変わらず話せていると思います。
この症状はうつ病の可能性がありますか?
私は精神科を受診すべきなのでしょうか?
林:
2年前から気管支喘息の既往があり、1週間ほど前から息苦しさを感じ始めました。
この時点では喘息に関連する呼吸器系の症状を第一に考えるのが自然です。
呼吸器科でステロイドの処方を受けましたが、改善せず、胸の圧迫感と呼吸困難感で夜眠ることができなくなりました。その後心電図やレントゲンの検査を受けましたが異常はなく、現在ステロイド治療を継続しています。
ここは呼吸器科の医師の診察所見と意見をお聴きしないことには厳密には判断できませんが、喘息に関連する呼吸器系の症状ではない可能性を考える必要が発生していると言えます。
現在の症状は 眠れないくらいの胸の圧迫感と呼吸困難感(24時間ありますが深夜の3時頃が1番ピークに感じます)、たまに冷や汗や微熱が出る、喉が乾きやすいような気がする です。
この症状についても呼吸器科の医師の診察所見と意見をお聴きしないことには厳密には判断できませんが、もし内科的には原因不明ということであれば、精神科的疾患の可能性が浮上します。
兄弟、従兄弟、叔父に1人ずつうつ病を経験した人がいるので、
そうしますと、上記の「精神科的疾患の可能性」は、より具体的に「うつ病の可能性」を指摘することができます。うつ病の症状として様々な身体症状が出ることは決して稀ではありませんから、この【4513】のケースのように濃厚な遺伝歴がある場合は特に、うつ病の発症である可能性を否定できないということになります。
自分もうつ病なのではないかと感じましたが、今のところ落ち込みや悲しさなどはなく、
発症の初期にはそういう形を取ることは稀ではありません。
最近大きな悲しい出来事などもありませんでした。
うつ病は「大きな悲しい出来事」を原因とする病気ではありません。ここは多くの人に誤解されている点ですが、「大きな悲しい出来事によって気分が落ち込む」のは人間として正常な反応ですから、本来の意味では病気ではありません。そうした原因がないのに気分が落ち込むのが真のうつ病です。
人と話す時にも笑顔で今までと変わらず話せていると思います。
うつ病の初期にはそういうことも十分にありえますし、初期ではなくても、重症でない限りは、そのようにすることは可能なことはあります。
この症状はうつ病の可能性がありますか?
あります。
私は精神科を受診すべきなのでしょうか?
受診すべきです。
(2022.6.5.)