【4456】妄想性障害を統合失調症と誤診されることへの心配

Q: 30代前半の同い年の友人(女性)が統合失調症ではないかと思っています。 症状は被害妄想が一番強く、個人情報が漏れている、盗撮されている、陥れられる、などと考えているようです。特定の人物を犯人と思い込んでいます。また、自分に関わる人間が皆繋がっている、というような感覚も持っています。 本人は病気という自覚はありませんが、幸いご両親には症状を説明することができ、本人も睡眠不足を訴えていたので素直に精神科の受診を承諾してくれました。(まだ予約した段階です)
異変に気づいて数週間、まだ勉強不足なのですが、周りにいる人間として正しい対応で最大限に協力、配慮したいと思っています。 そんな中、先生のご本(統合失調症)を読ませていただき、妄想性障害という診断名を目にしました。インターネットを検索すると、妄想症、偏執病、パラノイアという言葉もヒットしました。 これらは全て同じ症状なのでしょうか?友人は被害妄想は強いですが、幻聴が聞こえている様子はあまり感じません。 まだ病院にかかっていないのでお医者様がどうのように診断されるかわかりませんが、妄想性障害は統合失調症と比べ、症状、治療、薬、社会復帰、予後にどのような違いがあるのか知りたいです。(できれば仕事を続けさせてあげたいです) そして、仮に妄想性障害を統合失調症と診断され、治療が始まったときになにか弊害があるようでしたら教えていただきたいです。 よろしくお願いいたします。

 

林: 統合失調症と妄想性障害の区別は実のところ曖昧です。【4455】もご参照ください。
妄想を有する疾患の診断分類は、それ自体、精神医学の歴史で延々と続いている難題ですが、この【4456】のご質問、すなわち治療について最も単純化してお答えすると、「妄想性障害の中で、統合失調症に近いケースは抗精神病薬が有効」というのが答えです。そしてこの【4456】のケースは、仮に妄想性障害と診断するとした場合(実際は統合失調症の可能性の方が高いです)、統合失調症に近いケースということになります。ですから質問者のご心配、すなわち、

仮に妄想性障害を統合失調症と診断され、治療が始まったときになにか弊害があるようでしたら教えていただきたい

このご心配は杞憂です。この【4456】のケースは抗精神病薬による治療の適応です。

(2022.2.5.)

05. 2月 2022 by Hayashi
カテゴリー: 妄想性障害, 精神科Q&A, 統合失調症 タグ: , |