【4866】術中死した祖父の真の死因は何でしょうか
Q: 私は50代女性です。
祖父は昭和20年代後半に死にました。もちろん会ったことはありません。
戦争から帰還したあと、家業に従事していましたが、水を見るとパニックになって倒れることが頻回あり、「てんかん」という診断が下って、何らかの脳外科手術を受けました。その際、執刀医が来る前に別の若い医師が手術を始め、失敗してほぼ中術死だったようです。死亡診断書に書かれた死因は脳内出血。
祖父が本当にてんかんだったとは思えず、いわゆる戦争神経症だったんじゃないかと思います。それに、手術室で何が起こったのか、理解できません。
現代は、例えばPTSDなどで脳外科の手術をするなどありえないと思いますが、当時は行われていたのでしょうか。ロボトミーとはこの手術のことですか?
今の医学や病院の常識から考えるととんでもないことが行われていたように思うのですが、だれも教えてくれないし、病院に問い合わせてもそんな昔のカルテはないと言います。
昔は今のような技術や知識、倫理観はなかったのでしょうし、今さら責任取れとかいうつもりはありません。ただ、祖父はなぜ死んだのかが知りたいだけなんです。先生が推測されるところをお聞かせいただければ幸いです。
林: お祖父様の他界の真の原因を知りたいと思われるお気持ちはよくわかりますが、これはもはや知る方法はないと思います。推測もほぼ無理です。どんな推測も邪推にしかならないと思います。
戦争から帰還したあと、家業に従事していましたが、水を見るとパニックになって倒れることが頻回あり、「てんかん」という診断が下って、
それはてんかんらしくない症状です。しかし「らしくない」ことと、その診断を「否定できる」ことの間には大きな距離がありますので、てんかんでなかったとまでは言えません。
祖父が本当にてんかんだったとは思えず、いわゆる戦争神経症だったんじゃないかと思います。
その推定には根拠がないとまでは言えませんが、ひとつの推定にすぎず、もしその推定に固執すれば、それは邪推と言う以外にありません。
それに、手術室で何が起こったのか、理解できません。
できるはずがありません。今となっては誰にも知ることはできません。
ロボトミーとはこの手術のことですか?
違います。
今の医学や病院の常識から考えるととんでもないことが行われていたように思うのですが、
それは当然です。現代の常識から過去の仕事を評価するのは不合理なことです。
だれも教えてくれないし、
誰にもわからないでしょう。
病院に問い合わせてもそんな昔のカルテはないと言います。
当然、そんな昔のカルテはありません。
祖父はなぜ死んだのかが知りたいだけなんです。
そのお気持ちは理解できますが、今となっては誰にもわかりません。推測も無理です。
(2024.8.5.)