【4334】 ネットの無料診断で重度または中等度のうつ病の可能性ありと出ました

Q: 20代、会社員男性です。

最近、気分の落ち込み、倦怠感に疑問を感じネットの無料診断(チェックを付けるアンケートのようなもの)で5回ほど複数のサイトでセルフチェックをしたところほとんど全てのサイトで重度、または中等度のうつ病の可能性があるとの結果が出ました。
ネットかつ無料の診断、医師と立ち会って実際のカウンセリングを受けたわけではないので結果を鵜呑みにはしていませんが少々気にかかります。
実際にうつ病の傾向があり受診をした方がいいのでしょうか?

よくチェックをつけた項目としては
・寝付けない(ほぼ毎日1時間以上かかる)
・昼寝などを含め10時間ほどの睡眠をとる、または眠たい状態が続く
・自身の欠点などを常に考える
・集中力や決断力の低下(返答に数秒を要する、考え込む)
・強い倦怠感
・起床、出勤などに大きな決断、エネルギーを要する
・週に1、2度ほどやる気が起きず倒れ込むように寝る
(風呂や歯磨きなどをせずに寝るが出勤前にはする)
・落ち着かず何度も座り直したりソワソワする
・以前取り組んでいた活動に興味が無くなる

あまりチェックを付けなかったものとして
・体重の増減
・自殺について考える
・食欲の増減
・睡眠中に目が覚める頻度や早く起きすぎること

自身で気になる点
・じっとしてても動悸が激しくなることがある
・タバコの回数が増えた
・自身が友達と遊んだり会社の人との会話で笑ったりできるためうつ病ではなく甘えだと思う(古い考え方かも知れませんが)

以上の通りなのですが、私は実際にうつ病の可能性があり受診をした方がいいのでしょうか?

 

林: わかりません。チェックリスト形式の自己診断法は、【0377】【0389】にも回答した通り、限界があるものです。そうした自己診断法の結果とあわせて、具体的な状況についての情報が十分にあれば、何らかの回答をすることは可能になることもありますが、この【4334】はほぼ自己診断法の結果をお書きいただいているだけですので、回答は不可能です。つまり自己診断法の結果から言えることを超えることは何も言えないということです。「うつ病の可能性があるか」と問われれば、「ある」という回答になりますが、このような場合「可能性」というのは抽象的でほとんど意味がない言葉です。
ひとつだけ意味のある回答ができるとすれば次の通りです。

・自身が友達と遊んだり会社の人との会話で笑ったりできるためうつ病ではなく甘えだと思う

それはうつ病を否定する根拠にはなりません。
一般的な傾向としては、真のうつ病の方は自分は甘えているだけだと解釈しやすく、甘えているだけの人は自分はうつ病だと解釈しやすいものです。ただしこれもあくまでも一般的な傾向にすぎません。

(2021.6.5.)

05. 6月 2021 by Hayashi
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