【2857】首や肩、背中がよくなれば統合失調症も良くなるでしょうか
Q: 33歳男性です。家族は両親と私の三人暮らしです。兄が一人いますが結婚し出て行っており、同居ではありません。 私は、二十歳ころより瞑想を趣味としていて、瞑想を通じてどこか高みへ行けると思っていました。そして深夜になると、一人部屋で瞑想に励んでいました。尚、このころ、ほとんど仕事はしていませんでした。 二十五歳の頃、自ら覚ったという方の言をネット上で見つけ、自分の瞑想にも進歩がありそうだなと予感のしていた頃のことです。 ある日、私は夕食の頃、どこか頭上の光るような感覚を覚えて、今なら瞑想をすれば悟れるのではないかという予感に駆られ、夕食を中断して、二階の自室に行こうとしましたが、両親に引き止められ、リビングで、しかも両親の前で瞑想をする事になりました。その時のチャンスを逃したくないと思ったため、無理にでも瞑想をしようとリビングに座り込んだのです。瞑想に入ってしばらくすると体が揺れ始め(そんなことは以前はなかったのですが)、そして突如、雷に打たれたようなショックを受けて、なんとも言えない急激な疲れに襲われました。すると、普段は想念として感じている自己の内部の声が、外に出たような感触があり、わたしはなにかまずいことになったと直感しました。続いて、極端な感情の揺れ動きがあって、大泣きしたり、児童退行をしたりして、人格の揺れ動きを体験いたしました。翌日、近くの街の心療内科の門を叩いたところ、神経衰弱と診断され、リスパダールを処方されました。あいにくリスパダールは合わず、服薬するものはエビリファイに落ち着きました。これが一番初めの出来事でした。 この最初ころは妄想などなく、ただ、首肩、背中の重みや凝り、只々しんどい事などが私の敵だったのですが、しばらく専門学校に通うなどしているうちに元気になってきたので、服薬を中断してしまいました。そして29歳ころ、妄想の出る急性期を体験し、最寄りの神経内科にかかったところ、口頭で告げられたわけではないのですが、統合失調症という診断をどうやらされたことを、間接的に知りました。(というのも、精神障害の方が通うデイケアに出す、主治医の書いた手紙を開封してしまったところ、統合失調症と記載されていたものを見たからです。)その頃の妄想は数日で収まったものの、一つ目の怪物が世界を裏で支配しているとか、無眼の脳みその塊がさらに宇宙を支配しているだとか、そういったものでした。これが二度目の出来事でした。この急性期は数日で収まり、また一年ほどエビリファイを服薬をして、良くなったと思い断薬をしたところ、31歳の冬(今年の二月)に、更に激しい妄想を伴う急性期を体験し、救急車で搬送されてしまいました。これが三度目になります。その頃の妄想の内容は、脊索だけで生存している「お母さん」という海を起源とする人類の統括が存在していて、海から発達した人類を電波で操っているというものであったり、対抗勢力の、猿から発達した人類(この人類は赤ちゃんを食べて人間になった人類で邪悪なものという設定でした)と抗争をしていて、私の住んでいる街区以外は焼け野原になっているとか、外国から化学兵器の攻撃を受けて住めなくなっているとか、私には魔法の力があって天候を操れるとか、ともかくも支離滅裂な妄想の嵐が吹き荒れていました。しかも、両親は、海派と猿派に別れていて、私(この時の自分は聖人のような特別な存在であるという設定がされています)を生贄にしようと取り合いをしていると考えられました。 このような急性期が3日ほど続いた結果、ああ、私は病気なのだとついに自覚するにいたり、今はエビリファイを服薬して治療中です。
質問は、25歳の頃に行った瞑想の失敗と、首肩背中の重みや凝りと、統合失調症が、なにか関係があるのではないかというものです。首や肩、背中がよくなれば統合失調症も良くなると私はほぼ確信しているのですが、あまり関係ないでしょうか。普段は陰性症状に悩まされている日々で、疲れやすいとか、意識の焦点がはっきり合わないとか、そういった症状があります。 どうも、瞑想をして覚りを目指そうといったような志向性と、統合失調症の急性期の妄想の内容(自分が聖者であるために生贄にされるなどというような事柄)がリンクしているような気がします。自分が特別でもなんでもないと思うことができたら、つまり心理療法で、この病気は治るのではないかとも思っています。 ご意見伺えたらと思います。
林:
質問は、25歳の頃に行った瞑想の失敗と、首肩背中の重みや凝りと、統合失調症が、なにか関係があるのではないかというものです。
関係ありません。体の症状が、統合失調症の前駆症状ということはありますが、それ以外の関係はありません。
首や肩、背中がよくなれば統合失調症も良くなると私はほぼ確信しているのですが、
その確信は誤りです。逆に、統合失調症がよくなれば、首や肩、背中がよくなるということはあるかもしれませんが。
自分が特別でもなんでもないと思うことができたら、つまり心理療法で、この病気は治るのではないかとも思っています。
その考えは誤りです。今の病院での治療を続けてください。
(2014.12.5.)