【4301】休学しているうつ病の友人
Q: 私は20代女性です。うつ病と診断されている友人について質問させて下さい。
彼女は大学のサークルで知り合っており、私より一つ下の学年です。
彼女は基本的に人と接する時は明るく振舞っており愛嬌がある人です。
ただ、男性にかなり惚れやすく、少し話しただけで魅力を感じてしまうようです。
男性が自分以外の女性に関心を持ったり褒めていたりすると機嫌が悪くなり、その女性に関して攻撃的な事を言うことが多いです。
SNSの投稿が彼女の好きな男性に関連するものでないか投稿の意図を確認されることが頻繁にあります。その度に男性と関係ない事を説明しているのですが、一度では信じて貰えない事も多く、彼女の中で私に対する猜疑心が高まると暗に私の行動を責めるような投稿をし、その後で泣きながら謝られます。
気分の変動も激しく、急に泣き出したり急に怒りだしたりします。
彼女は現在、うつ病であると診断されているらしく大学を休学しています。
彼女のこうした振る舞いはうつ病から来るものでしょうか。
林: この友人の方の言動はうつ病よりむしろパーソナリティ障害(特に境界性パーソナリティ障害)の特徴に一致しています。境界性パーソナリティ障害はしばしばうつ病と診断されているこがあり、それは、部分的に重なる症状があることや、本人にはパーソナリティ障害よりうつ病の方が告知しやすいことや、診断基準上は境界性パーソナリティ障害をうつ病と診断しても必ずしも間違いでないことなどの理由があります。また、パーソナリティ障害と診断されていても、本人は周囲に自分はうつ病だと話していることもあります。
このケースは
うつ病と診断されている友人について
という書き出しの質問ですが、実際は、
彼女は現在、うつ病であると診断されているらしく
「らしく」という曖昧な情報しかない状況ですので、上のどの事情にあたるかはわかりませんし、そもそもうつ病と診断されているかどうかもわかりません。
なお、もしうつ病でないのにうつ病であると称していた場合は、擬態うつ病と呼ぶのが適切ということになり、うつ病とされているケースの中には擬態うつ病が膨大に存在します。(擬態うつ病は、詐病であるとか本人が悪いなどというニュアンスではありません)
(2021.5.5.)