【3799】受診を拒否している統合失調症の弟、受診する気になるのを待つと言っている母

Q: 10代の弟が8ヶ月前に自殺未遂を機に近隣精神科クリニックを受診し、統合失調症と診断されました。私は20代の姉です。家族の病気に対する理解は悪くないと思います

困っていることは3点です(3つ目が一番お聞きしたいです)
1)被害妄想の対象が私と母親であることで対応の仕方がわからない
2)土木のアルバイトをしようとしている
3)病識欠如により受診がしない/私がまもなく実家を出る(片道3hかかる)ため母親の負担が増える(抱え込みやすいタイプ)ため心配

背景
被害妄想(情報流失)、幻聴(友人の声)、幻視(色や数字に意味が感じられる、追いかけられる)があったようです。エビリファイの処方がされましたが、病識がなく服薬拒否があり、服薬したのは一度(被害妄想により警察に相談すると言って警察に行った時に警察官に服薬するよう言われた日)きりでした。
家族が説得しても1ヶ月で受診拒否のため、通院しておりません。(本人は辞めると言って聞きませんが)学校は休学しています。

6ヶ月前に住み込みバイトを他県ですると(家族が近場でするよう言うも聞かず)、家から出て行きましたが、数日でアルバイト先から出勤していないと連絡があり、家族が迎えに行くこともありました。

その後、陰性症状のように、自宅に引きこもりがちになったり、感情の鈍麻・平板化(表情がない)があったものの、料理(なんとか食べられるもの)やピアノ(本人曰く音楽療法)、買い物ができるようになりました。テレビ閲覧、読書も可能
※昼夜逆転や清潔動作の不保持等はございませんでした。

3ヶ月前、情報流失があるとがあると行って聞かず、スマートフォンキャリアを変えました。その時にも受診をするよう伝えましたが、聞かず、家族だけで受診しました(本人のできていること・強みについて客観的な捉えについてフィードバックしてもらいました)

この辺りから家族に対する緘黙症状が始まりました

2ヶ月前、「私と母親が情報流失をしている、自殺の原因は母と私」、「(受診しようと言うのは)病気のせいにしようとしている」と急に発言がありました、
<本人の被害的発言に対し共感的に関わることが大切>と本にありますが、 「大変だったね、私たちはどうしたらいい?」のように聞いても、「情報流失をやめてほしい!」としか答えがなく、困っています。(困りごと1つめ)

1ヶ月前、東京/千葉まで3−4回/週の頻度で行き種類がバラバラな活動を始め(緘黙のため日程表を出す)、支出が多く(地域の保健センターに電話相談し)1ヶ月の金額について母が2万までと伝えました。

そのせいなのか土木のアルバイトをすると申して(緘黙のため紙で示す)います。視力が悪く(おそらく0.1程度)、矯正が必要ですが、メガネを料理や本を読む時にもかけないで10cm前で作業するレベルです。

緘黙のため現在どのくらい症状があるのかわからないですが危険な現場でバイトをすること、危険だからこそ強い言葉をかけられうる現場、周りの理解がない現場に出て悪化することを心配しています。せめて他のバイトを勧めていますが聞きそうにありません(困りごと2つめ)

(困りごと3つめ)
私が就職のために実家から片道3hのところに引っ越します。両親の病気に対する理解・協力は比較的良好と思えますがキーパーソンは母で、父は仕事が忙しいため限度があり、さらに母親は抱え込みやすい・巻き込まれやすいタイプです

私はこまめに電話したり、できる限り帰省するつもりですが、この今の感じからしても限界があるように思えます
母親が潰れたら、父親も潰れ、家族が倒れると思います
私も看護を勉強しているのをわずかながらの強みと思い関わっていますが限界です。時々巻き込まれそうになります

どうにか受診して欲しい、
第三者に入って欲しいですが糸口が見つからないです

訪問診療、訪問看護、保健師訪問について母に提案しましたが、本人が受診拒否している中で、訪問依頼したら悪化する/さらに受診拒否するのではと心配し本人が受診するのを「待つ」という答えになっています。

アドバイスいただきたいです。お願いいたします。

 

林: 弟さんは統合失調症で、現在は治療を受けておらず、病状はどんどん悪化しています。したがって、病院で治療を受ける以外の方法はありません。悪化しているのに治療を受けなければさらに悪化するのは、他の病気とまったく同じことです。

訪問診療、訪問看護、保健師訪問について母に提案しましたが、本人が受診拒否している中で、訪問依頼したら悪化する/さらに受診拒否するのではと心配し本人が受診するのを「待つ」という答えになっています。

その答えは、問題を先延ばしにしてさらに病気を悪化させていることの反映以外のなにものでもありません。

(2019.3.5.)

05. 3月 2019 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A タグ: , |