【2453】母に臭いと言われてから自分の臭いが気になっています

Q: 私は大学4年の女です。高校1年のある日母親から、「あんた臭いね。それにしても臭い」と言われました。思いもよらない発言でした。体臭は自分で気づかないと言うので、本当にショックでした。母と元々仲がよくない私は、ショックで泣きたかったですが「そんなことない!!」と反論しました。「友達にだって嫌な顔されたことない」と言うとあざ笑うかのように「あんたに遠慮してるんだわ。あーかわいそう」と。そこから全てが変わりました。私は元々容姿に自身がありませんでした。「ブス」という言葉が耳にはいると、「絶対私のことだ!!」と思ってしまい、外出するのも億劫でした。常に鏡を持ち歩き、常に顔をチェックしていたため「ナルシスト?」と言われたこともあります。全然違います。臭いと言われてから、「なんか臭い」「におう」等の発言にものすごく敏感になり、どの言葉も私に向けての言葉だと思いました。実際にそうだったと思います。ブスな私はクラスの男子に嫌われていたし、臭いなら他人に迷惑をかけているし仕方ないとも思いました。一方で友達グループは、○の何が臭いかわかんない、と言ってくれました。気を遣ってくれました。学校が1番苦痛でした。ジロジロ顔を見られて気持ち悪がられていました。でも外に出ても苦痛でした。電車で目線を感じると「あ、臭いのかな」「変な顔だから見てるんだな」といつも思いました。周囲の声にも、ものすごく神経を使い耳に入るようにしており、事実私への中傷がたくさんありました。母にも、「みったくない顔だし臭いしかわいそう」と笑われていました。外で若い男のグループにペットボトルを投げられたこともあります。女子からは「かわいい」と言われることもあったので、何が正しいのかわからなくなりました。そして大学を期に、目を整形しました。世界が変わりました。それから何人と付き合ったか、何人に告白されたかわかりません。気持ちも明るくなりましたが、ブスな人や暗い人を見下すようになりました。整形はメンテナンスが必要で、かれこれ5回繰り返しました。これからも、少しでも変になったら繰り返すと思います。昔とは違う意味で、見た目の事を1日中考えています。アイラインが1ミリずれても気に入らなく、学校によく遅刻します。常に鏡を見ます。容姿が全て!と思います。昔は一切男性と話せませんでした。今はむしろ女が嫌いです。自分より綺麗な女性を見ると激しくうつになります。容姿のことしか考えられません。周りの子よりかはかわいいけど、私より綺麗な人は数え切れないくらい存在するんだ、と頭で思うと自分の存在価値がなくなったように思います。生活の全てが容姿に振り回されます。今の彼氏も、整形してキレイになり明るくなった私を好きになっただけで、本当の私なんて知りません。もう疲れてきました。

 
林: 自己臭症と醜形恐怖症の両方の特徴が認められます。自己臭症と醜形恐怖症は、「自分の持つある特性が、周囲に迷惑をかけている」という思いが根本にあるという点で、メカニズム的にはかなり類似の病態であるといえます。

母に臭いと言われてから自分の臭いが気になっています

とのことですが、一般的に言って、そもそもそのようなことが本当にあったかどうかは疑問もあります。「人にこう言われてからこういう症状が出るようになった」と本人が言うとき、実はそんなことを言われたという事実はなかったことや、仮に言われたとしても実際にはもっと軽いニュアンスだったことも非常に多いものです。

この【2453】のケース、自己臭症と醜形恐怖症の両方診断がつくかもしれません。精神科を受診することをお勧めします。

(2013.10.5.)

05. 10月 2013 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 自己臭症, 醜型恐怖症