【3498】ギャンブルを始めとする依存や対人関係について悩んでいます
Q: 私は20代男性です。
適切な質問と言えるかわかりかねますが、この場を借りてご質問させて頂きますことをお許しください。
現在私は生活保護を受け社会復帰を目指しております。
生活保護を受けるに当たる原因は主にギャンブルでの過度の浪費行為におけるあらゆる弊害によるものです。
ギャンブル、主にパチンコですが、とにかく勝ちたいという思いが優先され危険な賭けを行い、負けると機械に対し暴力的な行為を働くことが日常茶飯事です、(ただしこれは店員などの人には絶対に向きません)
そして自分以外が大当たりしているのをみると、頭に血が上り死んでしまえなどと強く思います。
元来恋愛やゲーム、など勝負事に対し以上に固執、執着することがありある程度自分で自覚しております。
幼少期から現在まで、ゲームに負けるとコントローラーを破壊したり物に当たることがやめられません。
とにかく自暴自棄になることが多いです。
恋愛に関しては、相手を楽しませようと努力する反面思い通りにならなければ暴言を吐くこともあります。(しかし私は人に対して基本は友好的であり、普段は人に好かれやすいと自負しております。)
自分では依存的な付き合いだと思っております。
そして相手の空白な時間が何か良くないことになっていることを非常に危惧することも多々あります。
私は趣味があるのですが、他人と比べて自分が劣っていることを感じると何もかも嫌になるという悪癖もあります。
自身の得意だと思っていることには、とにかく優位に立たなければならないとと思い込みから、感情の落差が大きく、一人で没頭しているところに第三者が関わることで異常な義人の喪失、苛立ちなどが際限なく自分を苦しめます。
そもそも自分の趣味などというものは他人に自分をよく思わせるための道具なのではとすら感じます。
極論に走ることも多く、ギャンブルがやめられないときは警察にわざわざ逮捕してもらったこともありました。
しかしギャンブル依存はなかなか治りません。
とにかくじぶんの思い通りにならない事柄に対し、感情の制御が効かないのです。
別れた彼女に対し脅迫的な文面を送ったこともあり、その際も警察にお世話になりました。
しかし、不思議なことに自分は人に好かれる才能があり、新たな職場ではあらゆる人に可愛がってもらえる事が多いです。
ただ。その全てが年下だろうと年上だろうと全て自分が下であるという条件付きで、対等な関係を気づけません。(一部の高校の友人を除き)
しかしその友達にも自分の情けなさに対する負い目がここ数年はなかなか消えません。
そして妄想まではいかないのですが、自分を裏切った人(過去に自分にも非があるが別れた彼女)が自分よりしあわせであることが許さない、もしくは嘲笑っているのではという考えが度々頭に浮かびます。
執着の関連から自分自身の万能感と、それと対照的に自己否定が強く何かを始めても評価されなければ無価値に感じてしまいます。
最近では楽しい映画やアニメなどをみて希望を感じさせられると同時に、自分の哀れさが露呈した気がしてなかなか余暇時間を楽しめません。
それと、私はトゥレットが幼少期からあり音声と身体でほぼ常に症状があります、性格が人当たりがいいこともあり、自分が笑い者にされることで相手とコミュニケーションを取れる利点も感じています。(イジメなどはありませんでした)
しかし、それが原因で自分が下であるということに慣れているのかもしれません。
現に私は人と話すとき何を話したら楽しませられるか無駄に考える癖があり、自発的な発言はなかなかできません。
つまり自虐でしか他人を、ひきつけられないのです。
会話が終わった後も、あの時こういう話をしたらもっと盛り上がったかもなどと必要のないことを考えたらりもします。
そして他人に怒られることが異常に怖く、会社ではよく泣いていました、
しかし自分の性格上みんなはわらいながらゆるしてくれました。
とにかく人の評価、人にどう思われているかが自分にとって最重要である気がしてならないのです。
みんなに注目されたい、好かれたいなどの欲望も強く、自分に関心がない人がいると気になって仕方ありません。
そしてナルシスト的部分とそれを否定している自分がいます。
女性は自分を見てかっこいいと思っている、と思い込んでいる部分とそれはあり得ないと否定しているじぶんがいて自己嫌悪がよくあります。
幸い家族は理解を示してくれているので助かっています。
私自身は非常に社交的かつ内向的で、自分の欲望を押し通すためには盗みなどもやることが時々ですがあり、自分で自分がわからない状態です。
そして罪悪感が消えません。
もちろん社会的に褒められるような行為もしてきたので当たり前ですが、後悔が常に付きまとい苦しいです。
病院にも度々顔を出し、以前は依存症で入院も致しました。
ネットで林先生の意見が色々と話題になっていたので、ぜひアドバイスをいただけたらと思い投稿させて頂きました。
林: 質問者が自覚しておられる多くの問題は、質問者が罹患しておられるトゥレット症候群(Tourette syndrome)との関連が大きいと思います。
それと、私はトゥレットが幼少期からあり音声と身体でほぼ常に症状があります、性格が人当たりがいいこともあり、自分が笑い者にされることで相手とコミュニケーションを取れる利点も感じています。(イジメなどはありませんでした)
しかし、それが原因で自分が下であるということに慣れているのかもしれません。
という質問者自身の心理的解釈は、部分的には正しいと思われますが、それに加えて(あるいは、それよりはるかに大きい要因として)、トゥレット症候群の基盤にある脳内ドーパミン系の異常が関連していると考えられます。
トゥレット症候群の症状としては、チックと汚言症がよく知られていますが、加えていわゆる衝動制御の障害の範疇に含まれる症状として、ADHD様の症状やギャンブル依存が見られることがあり、いずれもドーパミン系関連症状であると考えられています。
この【3498】の質問者のこれまでの行動は、警察に複数回関与されることになるなど、社会的許容範囲を逸脱しており、そしてそれらの行動はドーパミン系の異常に関連すると思われる衝動制御の障害と考えられますので、医学的な治療によって、問題を少なくともある程度までは解決できることが期待できます。
このメールにはトゥレット症候群についてどのような治療を受けているかの記載がありませんが、おそらく通院中と思われますので、これまでの問題行動やいま感じておられるギャンブルを始めとする依存や対人関係の悩みなどすべてを主治医の先生にお伝えし、総合的な治療を受けることが勧められます。
(2017.8.5.)