【3616】母の最近の言動に違和感があります

Q: 56歳の母について質問させていただきます。私は20代前半の長女です。
最近、何かにつけて私を否定したり、突き放したりすることが多くなりました。「そんな服を着て出かけてはキチガイのようだ」「喋りすぎている、多弁だ、それは躁状態だから、二階の自室へ戻れ」「生活能力が欠如しているから嫁に行ってもすぐに帰される」「人の迷惑が分からないようでは精神病院に入院するしかない」「毎日外出し過ぎているから今日は外出してはいけない」「外出して、もしその疲労で体調を崩しても面倒は見ない」などです。 そのほか話しかけても無視されたり、話半分で聞き流されたりなどすることが増えました。 また、今日になって母が自ら「あなたの言っていることが全く理解できなかったから、私は頭がおかしくなってしまったのかもしれない」と、すこし自分でも理解力に欠けることを自覚しているようなことを言ったあとで、私には兄がおりますが、「兄と二人で市営住宅で暮らしたい」などと、突拍子も無いことを言い出しました。 因みに、我が家は四人家族で、父、母、兄、そして私です。兄は統合失調症を患っており治療中です。幻聴は未だにあるそうですが見た目や言動などは、穏やかであり病前の兄と大きく変わらないように見えます。 母と私が二人で直接対話していると口論になるのでメールで送った、というのが以下の文章ですが、私には意味がよく分かりませんでした。 以下にその母からのメールを引用しますので、林先生に読んでいただいたうえで、母の言動に病的な要素が無いかどうかご回答をお願いできればと思います。 私の実名をA、兄の実名をBとさせて頂きます。以下引用です。

*** 母のメール引用ここから
最近のイライラは物忘れが一つの原因なのでは。 先ず今日の夕方の洗濯物の片付けについてのこと。最初私がマージャンがオーラス最下位の場面でのチンイツの手になりそうだったのでBにちょっと見てとアシストを頼んだ。 次にAはBばかり頼む(マージャンのアシストのこと)と言っていた。洗濯物を片付け始めた。→ほんの少し外し始めたところで何で手伝わないと切れた。 私はAが切れる度に心が痛み辛い。だからAをなだめる意味でマージャンがこの手配だったからだよと説明した。これをAは自分だけが責められて非難されていると余計に腹を立てた。  Bは今日のお昼。私がご飯の支度をしている間に洗濯物を2階に取り込みに行き今朝の分を干して、ほとんどがAの洗濯物だったけどピンチから外してくれた。その前に自分の部屋の掃除をさせたので今日ばかりはこんなにいろいろさせられることを少し不満に思ったかもしれないけど不満も言わずやってくれた。洗濯物を外しながら「Aの物がいっぱいだね」と言いながらもどこに言ったのかとAの風邪が本当に治ったのかと心配していたんだよ。 次に「この前ライフに行ったころがらお母さんがおかしい」と言っていたことだけど前にも説明したけどこれも忘れている。あの日はあまり行きたくなかったけどAがどうしてもいうので付き合った。でも行く道を選ぶ時にAが信号のところでなくては絶対にダメと主張するので行く前から喧嘩になるのはいやだったし仕方なく信号から行ったのだけどアシストは効かず(急坂はあの自転車には無理)自転車をひっぱっていったらあまりに重くて腰が痛くなってしんどかった。買い物していても自分の主張することに反対すると直ぐに機嫌が悪くなる。カートを押してエレベーターを使うことなど。また長年欲しかった(Aが使っているような)値段が手ごろで気に入ったマイ湯飲みを選ぼうと楽しみにしていたのにそんなの買わなくてもいいと言われがっかりした。 高校の頃も外出して自分のいいなりにならないと威嚇して思い通りにさせるところがあってそのことはもう直ったと思ったのにまたあの時と同じように思い通りにならないと切れることが多くなりました。 この風邪にかかる前に外出が多いので本当は一緒に国立に行きたかったけど体を休めて欲しくて一人で行こうとしたら「そんなに一緒に行きたくないのか」と朝切れたよね。もう説得する気もなくなりじゃ好きにすればという気持ちになります。病院の帰りも寒気がしているのに髪を切ることを主張して余計に体力を使ったよね、 こんな調子で物忘れ→不当に怒られている→直ぐに切れる→お母さんも気分が悪くなる→の悪循環になっているよね。 この悪循環を断つにはどうすればいいのだろう。よい策がないか一緒に考えましょう、
*** 母のメール引用ここまで

以上です。よろしくお願いします。

 

林: お母様は統合失調症を発症した可能性が高いと思います。精神科を受診させてあげてください。
根拠は次の通りです:
・    人生のある時期から、それまでのその人からは考えにくい精神的な特徴が現れたとき、それは精神の何らかの病気の発症の可能性が非常に高い。
・    この【3616】のケースに見られるようになった特徴は、言動・メールを含め、統合失調症らしさが認められる。(このケースの「らしさ」をひとことで言うとすれば、連合弛緩、すなわち、思考の道筋の乱れです)
・    家系内に統合失調症の人が見られる。
以上より、最近のお母様に見られる変化は統合失調症の発症であると考えるのが妥当です。

母が自ら「あなたの言っていることが全く理解できなかったから、私は頭がおかしくなってしまったのかもしれない」と、すこし自分でも理解力に欠けることを自覚しているようなことを言った

とのこと、このように初期にはある程度までは病気の自覚があることは少なくありません。この時期でしたら精神科の受診は比較的受け入れられやすいものです。精神科を受診させてあげてください。

(2018.2.5.)

05. 2月 2018 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 統合失調症 タグ: |