【3536】6年前から母の言うことが段々とおかしくなってきた

Q: 私は20代女性です。6年程前から母がおかしくなりました。当時、母は40代で看護師として働いていました。ある日急に職場で嫌がらせをされていると言ってきました。最初は悪口や変な噂話をされているという内容で私も愚痴程度に話を聞いていたのですが、段々と日を追うごとにおかしな内容になっていきました。その内容としては、職場の人が飲み物に毒を入れた。職場の人に猫の死体を駐車場の目の前にわざと置かれた。常に人に追われている、後をつけられている。集団ストーカーにあっている。新しく出会う人の全てが自分の動向を探るために興信所を雇って自分の行動を監視している。隠しカメラや盗聴器を家や携帯電話に仕掛けられているから家でも例え外でも会話したり電話で話すときはコショコショと小さな声で話し、普通の音量で話すと怒る、などといったことです。ひどいときには誰もいないのに目の前のマンションのベランダから白い服をきた人が覗いていて目が会う、笑いかけられたなどと言っていました。私も確認してみましたが、そのような人は居ませんでした。その職場を退職すると少しの間だけ盗聴されているという話はしなくなったのですが、また暫くするとぶり返しました。別の病院に就職しても他の人に盗聴されているなど同じ話をしてきました。最初に勤めていた病院を辞めてから仕事が長く続かず様々な病院を転々としましたが、どれも1年くらいで辞めてしまっています。何度か心療内科か精神科に連れて行こうとしたのですが、上手く理由をつけられたり逃げられたりなどしてできませんでした。他にも他人からたくさんお金を借りていたりします。罪悪感なども全くないようで寧ろ貸さない人を犯罪者であるかのように罵ります。特に家族に対してはひどいです。自分にお金を貸すのは当たり前であると考えており、あとで倍にして返すからと人に言っては借りていきますが返したことはありません。 
ギャンブルでもやっていたならまだわかったのですが、どうやら新興宗教や自己啓発セミナーなどにハマって多額にお金を使っているみたいです。2年前には物凄く止めたのにマルチ商法にも手を出していました。理想ばかり語り、自分はもうすぐお金持ちになるのだからすぐにお金を返せる、私に貸さないと後で後悔するんだからとイマイチ訳のわからない理論をぶつけてきて、根拠なくお金持ちになれると思い込んでおり人からお金を借りまくっています。ここ何年かで見ていると、春から夏にかけてが一番突拍子も無い言動をとります。反対に冬はあまり突拍子も無いことはしません。良くなったり悪くなったりを繰り返しているように感じます。悪くなっているときはどんな内容の話でも突然ヒステリーに叫びだします。話のどこにヒステリーに叫ぶ要素があったのか私もわからずよく混乱します。おかしくなる以前の性格は派 手好きで買い物好き、よく父が浮気をしていないかと疑っていました。そしてよく過去の話をする人でした。子供の頃から人気者だったとか自分には特殊な才能があるといった話から自分の母親から姉妹の中で一番愛されてなかった、大事にされていなかったなどといった話をよくしてきていました。おかしくなってからは愛されてなかったなどと言った話が顕著です。最近の行動では鏡で1日中自分の顔眺めていたりスマホで自分の顔の写真を撮り続けて眺めたりし、スマホから一時も手を離しません。そして自分と関わった全ての男性はみんな自分のことが好きで女性はそんな自分に嫉妬していると思い込んでいます。母のそのような行動からいろいろインターネットや本などで調べたところ、母は妄想型統合失調症や妄想性障害、または自己愛性パーソナリティ障害なのではないかと考えています。やはり母は病気なのでしょうか?それとも私の考えすぎで、これはただの母の性格なのでしょうか?もし病気の可能性が高いのなら病院に一刻も早く連れて行ったほうが良いのでしょうか?どうか林先生のご意見をお聞かせください。

 

林: お母さまは統合失調症だと思います。妄想性障害という診断も考えられます。自己愛性パーソナリティ障害ではありません。精神科の受診が必要です。一刻も早く受診させてあげてください。

(2017.10.5.)

05. 10月 2017 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 統合失調症