【3618】14年間働き燃え尽きた感じの兄

Q: 私は40代女性です。
40代半ばの兄についての相談です。大卒後、ファミリーレストランに就職し、日本全国を14年間で18回転勤、その間、マネージャーを経て店長を務め、必死で働いていたようです。
父が事故で寝たきりになって半年以上経った頃、兄は仕事に燃え尽きた様子で退職、実家に戻ってきました。その三ヶ月後に父は肺炎で亡くなりました。
その後、アルバイトをしても長続きせず、自室にいることが多く、同居する母親と顔を合わせない生活です。母親のお店の仕事を土日の日中のみ手伝っていますが、平日は何もやる気が起きない様子です。
心配だったので、色々な相談機関に相談したり、3箇所の精神科を受診させましたが、それぞれの精神科医が、兄に精神障害は無いと診断しました。
兄は仕事の話題になると、一点を見つめたまま全身が痙攣してしまいます。
母も70歳を過ぎましたので、今後のことが心配です。
精神障害ではなく、発達障害を疑うべきでしょうか?

 

林: わかりません。まず、家に戻られる前の14年間の経過が不明です。

必死で働いていたようです

と書かれていますが、それは推定にすぎませんので、必死で働いていたのかもしれませんし、あまり仕事になっていなかったのかもしれません。

仕事に燃え尽きた様子で退職

と書かれていますが、それは「様子」にすぎず、仕事に燃え尽きたのかもしれませんし、精神疾患を発症した結果、外見的には燃え尽きた様子になったのかもしれません。

3箇所の精神科を受診させましたが、それぞれの精神科医が、兄に精神障害は無いと診断しました。

実際に診察した複数の精神科医の一致したこの見解は重んずるべきですが、

兄は仕事の話題になると、一点を見つめたまま全身が痙攣してしまいます。

これは健康な精神状態とは言い難いことは明らかですので、これまで受診した精神科医のいう「精神障害」という言葉が、どのような意味で使われていたかが問題になります。狭い意味での精神病ではないという意味だったのかもしれません。

精神障害ではなく、発達障害を疑うべきでしょうか?

これも同様で、発達障害を精神障害に含めるかどうかは言葉の使い方の問題ですので、含める場合は「精神障害ではなく、発達障害を疑うべきでしょうか?」という質問は意味をなさないということになります。
それはともかくとして、発達障害か否か、このメールからの情報では全くわかりません。

いずれにせよ、現在の無為とも言える状態、そして

兄は仕事の話題になると、一点を見つめたまま全身が痙攣してしまいます。

という状態をあわせ、お兄様が精神的に健康とは言えないでしょう。精神障害と診断するかどうかは上記の通り言葉の定義によりますが、何からの治療的働きかけが必要であることは確かだと思います。

(2018.2.5.)

05. 2月 2018 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A