【3281】軽い精神病が自然に治ったようなのですが

Q: 高校生男子です。中学校時代に軽い精神病?(医者に判断されてないから分からない)にかかっていたという自覚があります。
それはどんな症状かというと人が笑っていると自分のことを馬鹿にして笑っているんだとか影でコソコソ言っているやつを見ると絶対に自分のことだなどです。
一番ひどいときは廊下ですれ違っだけで内心俺のことバカにしているだろと思ったりです。
これだけではわかるか分からないんですけど、なんていう病名と思いますか?
いまそう思うことはほとんどないんですけど、なにもしなくても病気が治ることがあるのでしょうか?(もしかしたら病気自体になっていないのかもしれないが)
絶対に精神病にはかかりたくないとこのサイトを見て思いました。

林: 一時的にこのような体験があった場合、それは病気なのか病気でないのかという第一の疑問が生まれ、そして、将来病気になるおそれが大きいのかどうかという第二の疑問が生まれるのは自然です。
この【3281】のケースでは、第一の疑問についての答えは「わかりません」になります。なぜなら、

人が笑っていると自分のことを馬鹿にして笑っているんだとか影でコソコソ言っているやつを見ると絶対に自分のことだなどです。
一番ひどいときは廊下ですれ違っだけで内心俺のことバカにしているだろと思ったりです。

このような体験は、健康な人にでもあり得ることですし、病気の症状としてもあり得ることだからです。この【3281】の記載だけでは、どちらであるかわかりません。なお、病気の症状の場合は関係念慮と呼ばれます。

第二の疑問についての答えも「わかりません」になります。
なぜなら、そもそも第一の疑問について、それが健康な範囲なのか病気の症状といえるレベルなのかがわかりませんので、それを受けての第二の疑問にも答えられないのは当然です。

仮に第一の疑問についての答えが、病気の症状と言えるレベルであったとしたら、つまりこれが関係念慮だったとしたら、答えは「統合失調症の発症に注意する必要があります」になります。但しだからといって「統合失調症の前駆症状である」とか「統合失調症が軽く発症していた」という意味とは異なります。あくまでも「統合失調症の発症に注意する必要があります」です。つまり統計的に、関係念慮があると、将来統合失調症を発症する確率が、関係念慮がない人に比べて高いということです。【2007】統合失調症らしい症状が私にはあるのですが、悪化のおそれがないのなら病院には行きたくありませんアットリスク精神状態などをご参照ください。

(2016.9.5.)

05. 9月 2016 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 統合失調症 タグ: , |