【3280】金縛りの最中に、濡れてしまいます
Q: 30代女性です。 睡眠障害で、睡眠導入剤を常用しています。
幼稚園の頃からよく金縛りに遭います。
特に熱が出たときなど、よく遭い、怖かったです。
高校生のとき、脳波を計測したことがありますが、ちょうど検査中に金縛りが来て、金縛りに遭ってる間の脳波の振れ幅が激しかったです。
でも、検査しても何の役にも立ちませんでした。
大人になってからは子供のときほどは金縛りに遭いませんが、休みの日に短時間の昼寝をしていると、遭うときがあります。
また、早朝覚醒して、二度寝したときにも割と遭います。
そこで、恥ずかしいのですが、昼寝中に金縛りにあって、なんとか解いて起きると、性行為をするときのように、濡れているのです。
金縛りに遭っている間に見ている夢は、官能的な夢のこともあるし、全然違うこともあります。
でも、小さい頃から金縛りに遭いつづけていて、金縛り中はある程度、夢をコントロールできます。
逆に言うと、夢をコントロールしようとすると金縛りに遭うことが多いです。
金縛りと、濡れることには、何か関係があるのでしょうか。
また、睡眠障害であることと、金縛りによく遭うことは関係あるのでしょうか。
自分はとりわけいやらしい人間なのではないかと心配です。
林: 金縛りの最中に濡れるのは正常ですので心配ありません。
睡眠にはレム(REM)睡眠とノンレム(non-REM)睡眠があり、人間は睡眠中にこの二種類の睡眠を繰り返しています。レム睡眠中には体の筋肉がほぼ完全に弛緩しています。このレム睡眠中に覚醒すると、「意識はあるのに体が動かない」という状態になります。これが金縛りです。レム睡眠中の人間の状態にはいくつか特徴がありますが(たとえば、眼球が急速に動いています。レム睡眠のレムとはREM=Rapid Eye Movementを表しています)、その一つが性的活動です。男性なら陰茎の勃起、女性なら濡れるというのがその時によく見られる状態です。つまり、この【3280】の女性の「金縛りの最中に濡れる」というのは、全く正常な現象です。したがって
自分はとりわけいやらしい人間なのではないかと心配です。
そういう心配はありません。
また、
睡眠障害であることと、金縛りによく遭うことは関係あるのでしょうか。
おそらくこの【3280】のケースはレム睡眠とノンレム睡眠のサイクルに変調があり、それが睡眠障害につながっているのでしょう。
それから、
夢をコントロールしようとすると金縛りに遭うことが多いです。
夢を見ているのはレム睡眠の時なので(最近は異説もありますが)、「夢をコントロールしようとする」ことによって、レム睡眠から覚醒しやすくなり、「レム睡眠中の覚醒 = 意識があるのに体が動かない」という状態になっているのだと思います。
(2016.9.5.)