【3259】統合失調症という診断を否定されて餓死するのではという不安
Q: 現在55歳の独身女性です。
中学三年の春に、うつや離人症が発症し、自分でも統合失調症ではないかと疑いましたが、思い直して軽いノイローゼだ、ほおっておけば治ると、精神科にかからないまま高校に進学しました。
そのあと国立大学に進学しましたが、心身両面の衰弱がひどく、また容貌もいかにも狂人そうろうになってきて、人から避けられてしまうので、大学へ通うことができず、自宅に引きこもり、結局、中退しました。
その後も就職もせず家に引きこもっていたのですが、親はいわゆる「引きこもり」、単なる怠けでぶらぶらしているだけだといって、「いい加減更正しろ、働け」と怒ります。
29歳のとき、自律神経症状がひどくなり、内科を受診したところ、内科的な病気はないからと、精神科を受診することを勧められました。
精神科を受診すると、医師は病名こそ明言しませんでしたが、統合失調症と診断した様子でした。そこで統合失調症なら、当時、医療費が公費負担でただになるという知識がありましたから、医師に診断書を書いてほしいとお願いしたところ、医師はかんかんに怒りだし、「あんたは神経症だ」といいます。どうやら文章を作文する心理テストで、私がまったく破綻のない文章が書けていたせいで、統合失調症という診断に自信が持てなかったようです。
そのため治療を受けずにこれまで通り引きこもりを続けていましたが、40歳の時、頭の中に20歳の頃から罵り声が聴こえるのがずっと続いていたが、これは統合失調症の症状の一つで幻聴ではないかとやっと気がつき、新たに別の精神科を受診しました。
薬を処方されると、罵り声はぴたりと止みました。その医師は、統合失調症の診断書を書いてくれたので、自立支援証も障害者手帳(3級)も取得することができました。
以後、きちんと服薬治療を受けながら現在に至りますが、相変わらずだるさや疲れやすさがひどいので(陰性症状?)、寝たり起きたりを繰り返しながら、就労もせずにいます。
生活費は同居の母の年金で足りていますが、すでに高齢になった母がなくなったら、生活保護を受けるしかないと思うのですが、過去に医師に統合失調症の診断書を書いてくれと頼んだとき、凄い剣幕で怒鳴りつけられたことがトラウマとなっていて、いざ生活保護を受けようとすると、就労不可の診断書を書いてもらえず、生活保護が受けられず、餓死するのではないかと、将来が不安でなりません。
また自分自身でも、毎日ぶらぶらしているのは甘えで、頑張ればなんとか働けるようになるのではないか、統合失調症という診断に甘えて疾病利得を享受しているのではないかという気持ちになることもあります。
ご意見をお聞かせ願えればさいわいです。
林:
また自分自身でも、毎日ぶらぶらしているのは甘えで、頑張ればなんとか働けるようになるのではないか、統合失調症という診断に甘えて疾病利得を享受しているのではないかという気持ちになることもあります。
外見的には働けそうに見えるが、しかし働けない、そういう統合失調症の方の大部分は、やはり病気のために働けないものです。けれどももちろんごく一部には、本当は働けるというケースもあります。この【3259】は、「相変わらずだるさや疲れやすさがひどい」としか記載がなく、これだけでは病気のために働けないのかどうかはわかりません。主治医の先生にお聞きください。
また、質問者がトラウマになっているとおっしゃる29歳の受診時に、実際はどのような出来事があったのかが不明です。
精神科を受診すると、医師は病名こそ明言しませんでしたが、統合失調症と診断した様子でした。
このように書かれていますが、これは不可解な記載です。「統合失調症と診断した様子でした」とは一体なにをもってそういう様子だと質問者は判断されたのでしょうか。
そこで統合失調症なら、当時、医療費が公費負担でただになるという知識がありましたから、医師に診断書を書いてほしいとお願いしたところ、医師はかんかんに怒りだし、「あんたは神経症だ」といいます。
そもそも統合失調症と診断した様子ということの根拠が不明ですので、こういう展開になった理由が見えません。診断書を依頼されて「医師はかんかんに怒りだし」というのも訳がわかりません。
どうやら文章を作文する心理テストで、私がまったく破綻のない文章が書けていたせいで、統合失調症という診断に自信が持てなかったようです。
そんなことで診断が変わるはずもなく、そもそもこれは質問者による根拠のない推定であると言わざるを得ません。
したがって、29歳の受診時のことは事実関係が不明ですので、これ以上のコメントは不可能です。
しかしそんなことより重要なのは現在ですから、先に述べた通り、現在の主治医によくご相談ください。
(2016.8.5.)