【3193】うつ病と診断されましたが、擬態うつ病ですよね

Q: 20代女性です。
私は小さい頃からネガティヴな性格で、 少しでも嫌なことがあるとすぐに泣いて落ち込んでいました。
具体的に言うと、
幼稚園生の時、足に砂をかけられた
小学校低学年の時、席替えで隣の子が嫌いな顔の子になってしまった
ゆで卵がうまく作れなかった
最近では彼氏がお酒を飲み過ぎて吐いた、などで泣いていました。
自分に一見関係ないことでも、自分のせいだと妄想してしまい、あの時ああならなかったのは私がああしなかったからだ、 何で自分はこんなにできないんだろう、 自分はバカだ、生きている資格が無い、なぜ自分は生まれてきたんだろう、なぜ地球はできたんだろうと延々と考えて泣き続けてしまい、最近は学校に行けず1日〜3日ぐらい引きこもってしまいます。
その時は排泄と食事以外ずっとベッドで過ごしますが、
食欲はありますし、寝過ぎる程眠れる時もありますし、同居人が帰ってくると動けるし笑うこともできます。
うつな気分になっていない普通な時は普通に過ごせ、あの時はなぜあんな風に考えたのだろう、と思います。
辛い時に病院に行きましたが、うつ病と診断されました。
学校の先生にうつ病と診断されたことを言ったところ、 先生は「うつ病ではないと思う。気分の波が激しいだけだと思う。」と言っていて、私もそうだと思いました。
ネットで「死にたい」「生きるのが辛い」と検索すると、ものすごい数の件数がヒットします。
生きるのが辛いと思っている人はたくさんいて、 生きるのが辛いと考えることは、普通なことなのではないかと思います。
うつ病はなぜ病気なのでしょうか。
私について、私は嫌なことに耐えられずに現実逃避している我が儘な性格というだけの擬態うつ病だと思いますが、どうでしょうか。

林:

学校の先生にうつ病と診断されたことを言ったところ、 先生は「うつ病ではないと思う。気分の波が激しいだけだと思う。」と言っていて、私もそうだと思いました。

医師の診断を、医学の非専門家である学校の先生に覆せるはずがありません。あなた自身についても同様です。

ネットで「死にたい」「生きるのが辛い」と検索すると、ものすごい数の件数がヒットします。
 生きるのが辛いと思っている人はたくさんいて、 生きるのが辛いと考えることは、普通なことなのではないかと思います。

そういう人がたくさんいたからといって、そういう人のすべてが病気でないということにはなりません。
咳が出る人のすべてが結核ではないのと同様です。

うつ病はなぜ病気なのでしょうか。

うつ病のページに紹介してある本をお読みください。
また、精神科Q&Aのうつ病のケースの中で、私が明確にうつ病ですと回答しているケースを参照してください。

 私について、私は嫌なことに耐えられずに現実逃避している我が儘な性格というだけの擬態うつ病だと思いますが、どうでしょうか。

わかりません。あなたはそう思っている、そしてそう思っているあなたが、そう思う理由を強調して書いているこのメールからは、わかるはずがありません。

病気でないとご自分で決めつけご自分を責めることはやめ、実際に診察していただいた先生によくご相談ください。多くのうつ病の方は、ご自分は病気ではなく甘えであると考えがちなものです。

(2016.4.5.)

05. 4月 2016 by Hayashi
カテゴリー: うつ病, 擬態うつ病, 精神科Q&A