【3185】社会不安障害と過敏性腸症候群と診断されたが、統合失調症ではないか
Q: 20代女性です。主治医の診断が信じられず、林先生のご意見を伺いたくメールしました。
1.病歴
7年前に初めて発病しました。症状は外出中に、
・腹部がはる感覚がずっと続く。
・口元が自分の意思とは関係なくひきつる。
・喉が乾いているわけでもないのに、唾がわき続ける。
これら3つのことが続き、次第に他人が自分の悪口を言っているのではないかと思うようになりました。それは家にいるうちも続くようになり、家の中で、外の悪口へ反論するようになりました(大声を出すのは小心なせいかできませんでした。今から考えるに迷惑をかけないでよかったと考えています)。また雨戸がきしむ音を、他人が石を投げている音だと信じて怯えていることもありました。
それから3年後(今から4年前)精神科を受診しました。その時は統合失調症の疑いもあると言われただけで明確な診断名は出されませんでした。
エビリファイ3mgを出され、その時は上記の症状がおさまりました。
1年間通院と投薬を続け、そこで一旦は治療終了となりました。
ところがそれから1年後にすべて再発し、前回とは違う精神科にかかりました。そこで社会不安障害と過敏性腸症候群であると診断され、現在に至ります。今はフルボキサミン75mgを朝晩2回、エビリファイ6mgを処方されています。
2.伺いたいこと
私は、本当は統合失調症でしょうか。社会不安障害で妄想があるなど聞いたことがありません。また、だとすると一生薬を飲まなければならないのかと考えています。
林: 7年前の症状は統合失調症に一致しています。エビリファイにより症状が消失したことも、統合失調症の診断を強化する事実であるといえます。
それから1年後にすべて再発し
とのことですが、「すべて再発」という書き方ではわかりません。具体的な描写が必要です。しかし一応は7年前と基本的に同じ症状であったと仮定しますと(ここでも本来は「基本的に同じ」とは具体的にどういう意味であるかが重要な問題ですが、今回は触れないこととします)、断薬による統合失調症の再発と考えるのがごく自然です。
そこで社会不安障害と過敏性腸症候群であると診断され
診断根拠が不明です。
今はフルボキサミン75mgを朝晩2回、エビリファイ6mgを処方されています。
エビリファイだけで十分だと思います。
社会不安障害で妄想があるなど聞いたことがありません。
その通りですが、あなたに妄想があるかないかが厳密には不明です。体験していることの具体的な描写がない限り、妄想の有無は判断できません。
しかし、記されている範囲の情報から判断しますと、
私は、本当は統合失調症でしょうか。
はい、そうだと思います。
(2016.4.5.)