【3105】 解離性同一性障害という診断を受け入れ、前向きに治療を続けています(【2999】のその後)

Q: 【2999】解離性同一性障害との診断の是非についてと自傷行為の今後について‏でお答え頂いた解離性同一性障害の診断を受けた30代女性です。
質問に答えていただいたことで自分の中で整理ができ、大変感謝しております。
本日はその後の経過についてご報告申し上げたいと思います。

解離性同一性障害という病名についてはどちらでも構わないと言われ、深く考えることを止め目の前のカウンセリング治療に集中する日々を過ごしていました。
すると、安心感が決め手となったか、ついに心理士の先生の目の前で人格交代を起こしました。交代した自覚はなく、ただ記憶の空白がいつも通りあっただけだと主張しましたが、心理士の先生の確固たる証言があるため人格交代を認めざるを得ず。
また、過去その人格が交代を起こしトラブルになったらしき形跡も発見することができました。
【2999】での林先生のご指摘通り自分で気づいていない問題があったようです。

他にも、健忘したこと自体をさらに健忘し、自分の過去に大きな問題はなかったと思い込んで生活していたことにも気づかされました。
忘れっぽい自覚はあったのでメモを常に取るなどの対処はしてきたつもりでしたが、どうしても覚えていないことについては臨機応変に誤魔化すか謝罪することで全てがおさまると楽観視していました。ですがそんなはずもなく、ずいぶん他人に迷惑をかかけつつ生きてきたようです。
症状がバーストしてから辞めてしまいましたが、仕事に関しては工夫して周囲への迷惑を軽減していたことだけが救いです。
しかし、こんなにも周りに負担をかけてプライベートを生きてきたことに今さら気づかされて、愕然としています。人間関係が狭いので、迷惑をかけている人が少ないことが不幸中の幸いです。

解離性同一性障害と診断されて一年以上、私は違う病名だと思い続けてきましたがもう今の私にはその診断を否定するだけの根拠がありません。ドラマで扱われるような奇異な病名を自分のものとして受け入れるしかないらしいとようやく思い始めています。

また、思い出した過去の記憶については追求しないことに決めました。虐待加害者はもうこの世の人ではなく確認する術がないため、私が辛いと思った記憶が残っているのならばそれを信じようと思います。相手が生きていないなら、私がどう思い込もうと他言しない限り相手の名誉に関する問題は発生しないからです。

摂食障害は過食嘔吐と普通食嘔吐、拒食気味を繰り返しています。栄養不足が気にかかるところですが、今の私にはまだ欠かせないアディクションです。
瀉血は貧血が進行しすぎないよう我慢を続ける毎日です。誘惑は大きいのですが、これ以上やると入院と言われていてひたすら耐えています。
いつかこれらの行為をやめられる可能性があるという林先生の言葉を信じて、自分を痛め付ける行為に依存しないことを目指してこれからも頑張ります。

【2999】での林先生の明確で率直なご意見は私の治療に良い影響をもたらしていると考えています。
今回の進展は林先生の言葉に安心し治療に前向きになれたからこそのものだと。
ご迷惑でなければ、今後も治療の進展を報告させてください。
そしてその報告が同病の誰かの役に立つことを願っています。

 

林: 経過のご報告をいただきありがとうございました。診断名という事実を受け入れることは、回復への大きな一歩です。今後、さらに改善、安定されることを願っています。

今後も治療の進展を報告させてください。

心よりお待ちしております。

そしてその報告が同病の誰かの役に立つことを願っています。

あなたの貴重な体験のご報告は、間違いなく多くの方々のお役に立ちます。

(2015.12.5.)

05. 12月 2015 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 解離性障害