【3062】光トポグラフィで統合失調症でないと診断されました

Q: 50代男性です。
ご多忙のところ恐縮です!

親しかった叔父/伯母が亡くなったり母親が脳梗塞から認知症になってその介護が大変だったことから「うつ病」になった私は某クリニックでアナフラニールとリーゼをそれぞれ少量ずつ処方され約3年ほど飲みつづけました。そしてうつ病はよくなってきたので急に断薬されました。それからしばらくしたある日ウイスキーを飲みました。ボトル一本をあけました。すると不思議なことですが宇宙からのメッセージが聴こえたりして(夢と現実がごっちゃになり)マイカーに乗ってとある高校に無断で入り警察に逮捕されました。不法侵入です。統合失調症の疑いで無罪でしたが警察官や弁護士との対話が異常だったことを覚えています。(詳細は省略します)
それから某病院に措置入院/2ヶ月。統合失調症だと確定診断されリスパダールなど処方。退院してからはエビリファイ(6mg)とサインバルタカプセル(20mg)に落ち着き2年間ほど通院しています。その間は、デイケアに週2回、診察は1ヶ月半に1回のペースです。いたって良好です。副作用は眠気ぐらいです。1ヶ月前に光トポグラフィ検査をお願いして実施。主治医は「うつ病ではない。統合失調症ではない。」との診断でした・・・

(1) 警察に逮捕の夢と現実の混同は幻覚/幻聴でアナフラニールとリーゼの急な中断(薬の詳細データに記載)+アルコール(ウイスキー)から一時的に生じたものではないのか・・・
(2) 現在、統合失調症の回復期にあると仮定しても光トポグラフィ検査の統合失調症ではないという結果はどう解釈するか・・・(1)(2)の理由により私はうつ病は完治し統合失調症に関しては疑いという診断が正しく現投薬は無意味であると思うのですが先生はどう判断されるでしょうか?

 

林: あなたは統合失調症だと思います。

(1) 警察に逮捕の夢と現実の混同は幻覚/幻聴でアナフラニールとリーゼの急な中断(薬の詳細データに記載)+アルコール(ウイスキー)から一時的に生じたものではないのか・・・

そんなことはまずあり得ません。
しかし完全にゼロとは言えませんが、その後精神科に入院し精神科医が診察したのですから、当然その可能性も検討したうえで統合失調症と診断されていることになります。したがってゼロといっていいでしょう。

(2) 現在、統合失調症の回復期にあると仮定しても光トポグラフィ検査の統合失調症ではないという結果はどう解釈するか

光トポグラフィは診断の補助手段でしかなく、したがって、

光トポグラフィ検査をお願いして実施。主治医は「うつ病ではない。統合失調症ではない。」との診断でした

そんなことはあり得ません。光トポグラフィ検査でうつ病や統合失調症の診断を否定することはできません。
したがって、
「光トポグラフィの結果は、うつ病に典型的とされているパターンには一致しない。統合失調症に典型的とされているパターンとも一致しない」という医師の説明を、あなたが誤って解釈したのでしょう(または自分の願望に合わせて解釈したのかもしれません)。

(2015.10.5.)

05. 10月 2015 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 統合失調症