【3224】子供の統合失調症発症の予防法

Q: 30代男性です。親が統合失調症の子供は、統合失調症の発症率が平均より高いと知りました。私は統合失調症なのですが、もし自分に子供ができたときに子供が統合失調症をなるべく発症しないようにする予防策などはありますか。

 

林: それは非常に重要なことですが、現段階では、発症の兆しがもしあったときに早めに対処するということに尽きます。
発症の兆しが見られる前に予防することは現段階では不可能です。発症にはストレスが関与することがよくあるので、ストレスを避けることが予防になと言えないこともありませんが、何がストレスになるかは人によって違いますし、そもそも生きている限りストレスをすべて避けることは不可能です。
したがって、統合失調症の発症予防は、発症の兆しがもしあったときに早めに対処するということに尽きます。ということはつまり、発症の兆しとはどのようなものかについて正確な知識をお持ちになることが必須ということです。【2000】私の統合失調症の徴候は中学2年の頃からあったように思うのです。もっと治療が早くできていたら、発病を防ぐことができたのではないでしょうか。から【2078】もご参照ください。

なお、「発症の兆しがもしあったときに早めに対処する」以外に予防法はないという事実をしっかりと受け入れることは非常に重要です。
病気の中には、「現代の医学では予防できない」「現代の医学では有効な治療法はない」ものはたくさんあります。このとき、「現代の医学ではだめだが、私の開発したこの方法なら有効」「○○国では普通に行われているこの方法なら有効」などと銘打って、高額なお金を取る商法は膨大にあります。予防できるとするいい加減な情報に騙されないように注意してください。

(2016.6.5.)

05. 6月 2016 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 統合失調症 タグ: |