【2778】林先生の回答に納得しましたが、やるせない気持ちが残ります (【2673】のその後)

Q: 【 2673】嘘をついて支離滅裂な言動をする高校生と病院の対応について の質問者である40代男性です。とてもわかりやすく、ご丁寧なご回答をいただき、ありがとうございます。何度も読み返し、考えさせていただきました。本当にありがとうございます。 現在も、高校生の生徒Aは学校生活を続けています。もう友人はいないので、いつも1人で過ごしていますが、様子は落ち着いているように見受けられます。ただ、前回のメールにも書いたように、4月に環境が変わり(2年生にあがる段階でクラス替えをしました)、緊張感を持ちながら過ごすこの時期は、昨年度も落ち着いていました。したがいまして、今後再び何かあるかもしれないと注意はしています。 また、通院は病院から必要なしと言われて以来、していません。このことについて、保護者の対応にも、また若干ではありますが病院の対応にも、疑問を抱いていましたが、林先生のご回答を読み、納得いたしました。たしかに、早急に命の危険があるわけではない病気の場合、それを自覚させて治療を受けさせることが保護者を含めた当事者にとって良いことか悪いことか、他人には決められないと思います。私たちの行為は大きなお世話だと思われていたことでしょう。また、病院側はいくらスクールカウンセラーの話を聞いてほしいと言われても、患者の意思を優先する立場にいることは当然なので、あの場合、通院をやめなければいけないという事態は、致し方なかったと思います。 ただ、学校側の意見としては、このように通院をしていただけないケースに出会うと、やはりやるせない気持ちが残ります。 保護者の方に理解があり、生徒に病院を受診させて診断書や障害者手帳を提示していただければ、その生徒は事情考慮の対象になります。その結果、通常であれば成績不十分や長期欠席などにより退学となる場合でも、病状を見ながら学校と家庭で連携をとり、きちんと単位をとって進級、卒業し、進学や就職といった卒業後の進路まで繋がります(なお、就職に関しては、障害者手帳の有無により、本人にとって働きやすい環境を考えながら探すことができます)。 その一方で、保護者の方が病気を受け入れず、病院を受診させないために、通例のまま成績不十分や長期欠席などの理由により退学してしまう生徒も多くいます。退学後に連絡をとると、何もせずに鬱々とした日々を過ごしている、もしくは悲惨な状況に陥っているという報告を受けることは少なくありません。 もちろん生徒Aが後者のケースにあてはまるかどうか、現段階ではわかりません。個人的には、通院しなくても卒業まで進めるだろうという印象を持っていますが…。先述の通り、今後も注意深く様子を見ていくつもりです。   ※なお、【2673】の林先生のご回答に、 (A)「行った検査はWAIS-IIIとロールシャッハテストで、どちらも結果は正常」だから「何の問題もない」という意味なのか(B)「WAIS-IIIとロールシャッハテストで、どちらも結果は正常」、そのほかの所見も「何の問題もない」という意味なのか とありましたが、(A)であると考えられます。

林: このメールを頂いたことに感謝申し上げます。

ただ、学校側の意見としては、このように通院をしていただけないケースに出会うと、やはりやるせない気持ちが残ります。

お気持ちはよくわかります。
私から付け加えるコメントはありません。
こうしたやるせない状況が現にあることを示すことが、精神科Q&Aの主旨の一つです。
その意味で、あらためてこのメールを頂いたことに感謝申し上げます。

(2014.9.5.)

05. 9月 2014 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A タグ: |