【2634】思考伝播は異常であるとわかるので私は統合失調症ではない、すると何なのでしょうか。

Q: わたしは、27歳女無職のひきこもりです。わたしは所謂サトラレです。初めて感じたのは9歳の時でした。声に出していないことが正確に伝わっていたためです。しかし、そんなことはありえない、と親に否定され、その時は納得し忘れておりましたし、時折感じても、ありえないことだ、とその考を封じて生きてきました。しかしやはりわたしの思考は筒抜けであると考えます。何年も生きてきたのでこれは間違いありません。家にいても、誰かしらには頭の中を覗かれているので、とても気が休まりません。こういう風に悩んでいることを知っていながら、誰も彼も素知らぬフリをして接してきます。すべて筒抜けなのですから、とても恥ずかしいのです。そこで、せめて筒抜けの頻度をやわらげることができないのか調べてみたところ、そもそも思考伝播というものは高確率で統合失調症の可能性があるということがわかりました。しかし、統合失調症では病識というものはないようなので、もしかしたら統合失調症では?と考えた時点で、統合失調症ではありません。それに、筒抜けであることを声に出して誰かに洩らしたら、いよいよ異常のレッテルを貼られてしまうということも理解できます。口に出さないことで、どれだけ頭の中で悩んでいても、素知らぬフリをされてしまうのです。わたしがまだ言葉にしていないことを汲んだ上で反応されることは幾度もありました。なぜわかったのか尋ねても、その度に誤魔化されました。もうとても疲れました。思考伝播が異常であるとわかるので、これは妄想ではなく紛れもない事実です。恐らく、何人かに一人は発症し、発症している者同士には伝わらない病気なのだとおもいます。そのため、誰の考えも読み取れない人間=思考伝播障害者(?)になってしまうので、この事実が隠されているのだと考えます。何年も悩み考えて出した結論です。合っていますか? 林先生は事実を仰ってくださるというので最後にメールしました。よろしくお願いします。

 

林: あなたは統合失調症で、あなたが長年にわたって体験されている思考伝播は統合失調症の症状です。精神科で治療を受けてください。

統合失調症では病識というものはないようなので、もしかしたら統合失調症では?と考えた時点で、統合失調症ではありません。

その判断は誤りです。統合失調症でも病識がある場合もあります。
それはそれとして、あなたには病識がありません。「もしかしたら統合失調症では?と考えた時点で、統合失調症ではありません。」という判断は、病識がないことの証です。病識がない人は、何らかの理由(それなりに合理的な面もあるが、一面的で正しくない理由)を述べて、自分は病気ではないと主張するのが常です。そのような理由の中で、「自分は○○ということがわかっているから、病気ではない」というのは典型的なものです。

何人かに一人は発症し、発症している者同士には伝わらない病気なのだとおもいます。

その考え方は誤りです。

そのため、誰の考えも読み取れない人間=思考伝播障害者(?)になってしまうので、この事実が隠されているのだと考えます。

誤りです。

何年も悩み考えて出した結論です。合っていますか? 

誤りです。

林先生は事実を仰ってくださるというので最後にメールしました。

ありがとうございました。では精神科を受診し、治療を受けてください。

(2014.4.5.)

05. 4月 2014 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 統合失調症