【2797】部下の病状を主治医に聞こうとしたが、守秘義務をタテに教えてもらえない
Q: 私は50代男性です。守秘義務についてご教示ください。本人(部下)は心療内科の通院歴が長く、今後も仕事を続けていきたい意思があるなら、本人にとっても会社にとっても、どのような仕事の内容や担当のさせ方がいいのか、上司の私としては相談にのっていくつもりは十分にあり、担当の先生のアドバイスを受けたり、相談したりしたいと考えています。
しかし病院に問い合わせても、患者の情報は守秘義務により明かせないということで、当初はその病院に通院していることさえはっきりとは答えてもらえない状態でした。(本人がそこに通院していると会社で明言しているのですが)
患者にとって良い方向に向かう内容なら、それをサポートする周囲に病名や症状を明らかにしてくれてもいいのではないかと思いますが、先生としては、やはり情報が悪い方向に一人歩きするリスクも皆無ではないでしょうから、守秘義務という壁は厚いでしょうか?こちらとしても、具体的な情報が与えられない中で、本人に対する対応が手詰まり、静観≒放置に近い状態が続いているといったところが本音です。
林: 患者本人の了承がなければ、医師は病状を説明しません。
当初はその病院に通院していることさえはっきりとは答えてもらえない状態でした。
当然です。患者本人は通院していることを職場に隠したいと考えていることがしばしばあります。
本人がそこに通院していると会社で明言しているのですが
明言しているかしていないか、それは病院にはわからないことです。したがって病院としては、通院を会社に隠しているかもしれないという前提で対応するのが当然です。
患者にとって良い方向に向かう内容なら、それをサポートする周囲に病名や症状を明らかにしてくれてもいいのではないかと思います
その通りです。しかし患者本人はそう考えていないことも十分にあります。したがって、患者本人の了承が必要です。
が、先生としては、やはり情報が悪い方向に一人歩きするリスクも皆無ではないでしょうから、
そういう問題ではありません。
具体的な情報が与えられない中で、本人に対する対応が手詰まり、静観≒放置に近い状態が続いているといったところが本音です。
本人の了承を取ったうえで、医師に連絡してください。
(2014.10.5.)