【2913】83歳の父親の幻聴と妄想

Q: 私ども(40代)一家と同居している83歳の父親のことです。父は20代と50代に精神病院に統合失調症で3か月位ずつ入院しました。入院時以外の服薬はありません。8ヶ月ほど前から不眠を言い始め、5ヶ月くらい前からは「何処かで自分の悪口を言ってる」、「屋根の上がうるさくて寝れない」等の幻聴もあるようです。行動も落ち着かず、身なりもだらし無しので注意すると凄い形相で怒ります。病院、服薬も拒否するので、3ヶ月前頃より、私が精神科の先生にお話しをし、現在セレネース液を処方して頂いています。一回1ml×2(一日分)です。しかし、最近では、ご近所の会社の水を汲みに行って庭木にまいているので、泥棒まがいの行動もします。家に人がいない時は、家の中を探っているようです。私たち家族も、父親の一挙一動が気になってしまい落ち着きません。家の中の物音ひとつに敏感になってしまいます。実は、私どもの長女も統合失調症で15歳から治療を受けております。入院も17歳の時、一ヶ月半し、現在まで投薬とカウンセリングを受けてます。学校も何とか卒業出来、介護福祉士の資格もとりました。就職して、2年目になり毎日頑張っております。娘の事で病気の難しさは、嫌と言うほどわかっているつもりですが、最近は、何をどうすればいいのか悩む毎日です。ゆっくり、安心した生活をおくりたいと日々思います。どのような方法がベストなのか教えていただけたらと切にお願いします。取り留めのない文面で申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。

林: 統合失調症の再発です。

父は20代と50代に精神病院に統合失調症で3か月位ずつ入院しました。

であれば、服薬を続けるべきでした。そうすれば今の事態は避けられたでしょう。
仮に服薬をやめるという判断があったとしても、

8ヶ月ほど前から不眠を言い始め、

この時点で服薬を再開するべきでした。そうすれば今の事態は避けられたでしょう。
50代の時点でいったん服薬をやめたのは、そのときまでの経過や症状によっては、必ずしも絶対によくなかったとまでは言えませんが、統合失調症で2回の入院歴がある以上、不眠は再発の徴候とみるべきであり、この時点で服薬を再開しなかったのはあまりに統合失調症という病気を軽視していると言わざるを得ません。

娘の事で病気の難しさは、嫌と言うほどわかっているつもりですが、

いいえ、統合失調症という病気のことをおわかりになっていないと思います。わかっていればこの事態になる前に何とかできたはずです。

どのような方法がベストなのか

まず現在の薬を続けること。それでも効果が十分でなければ、入院が最善でしょう。今からでもきちんと薬物療法を受ければ、かなりすっきりとよくなると思います。

(2015.3.5.)

05. 3月 2015 by Hayashi
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