【3150】幻聴の言ったとおり、体が不調になります

Q: 6年前から、統合失調症のため通院し投薬治療を続けている43歳男性です。3年前に一度回復しましたが、薬を飲んだり飲まなかったりしたため、再発してしまい現在に至っています。主な症状は、幻聴と幻聴に伴う体調不良です。最近は、幻聴の聞こえる回数が減ってきましたが、「頭を痛くする」という幻聴の後に実際に頭痛がしたり、「息苦しくする」という幻聴の後に息苦しくなり、「脈を速くする」という幻聴の後に脈が速くなってしまうのですが、どうして起こるのでしょうか。薬はリスパダールを1日3回1粒ずつ服用しています。

 
林: 幻聴が自分の言動を先取りするというのは、統合失調症では比較的よく見られる症状です。他人の言動を先取りすることもあります。自分が本などを読んでいると、これから読む内容を幻聴が先取りして聞こえる、ということもあります。

「頭を痛くする」という幻聴の後に実際に頭痛がしたり、「息苦しくする」という幻聴の後に息苦しくなり、「脈を速くする」という幻聴の後に脈が速くなってしまう

これは、上記のような、幻聴による先取り症状の一つといえます。まだ治療効果が不十分なためでしょう。この症状を主治医の先生にそのまま伝えてください。

それから、

薬を飲んだり飲まなかったりしたため、再発してしまい現在に至っています。

今後はぜひ気をつけましょう。統合失調症では、再発を繰り返すと、経過はどんどん悪くなる傾向があります。

(2016.3.5.)

05. 3月 2016 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 統合失調症 タグ: , |