【4292】統合失調症じゃないなら私は何なのか

Q: 28歳の女です。
13歳頃から母に連れられ、精神科を受診しています。
主な症状は、抑うつと健忘と幻聴、希死念慮、自傷行為でした。
受診当初に受けた心理検査(ロールシャッハ、PFスタディ、統合型HTPテスト)では妄想性の思考障害があるとかで、医師からは統合失調症と診断されていました。
でも、何件か転院をしていますが、どこの先生方も私が落ち着いていて会話も明瞭なためか「統合失調症らしくない」と言われました。
確かにこれまでの人生史を振り返ってみた時に、学校を行かなかったり仕事を辞めるなど外出機会を減らすと、抑うつや慢性的な希死念慮はあっても、自身の状態を冷静に俯瞰して分析することができましたし、幻聴を無視して趣味に没頭することもできました。
一方で、仕事に行くようになると、職場の苦手な人に監視されているような気がして、監視カメラや盗聴器の存在を疑って気が休まりませんでした。あまりにも苦手な人の存在が怖くて職場のトイレで自傷行為をして平穏を取り戻そうとしましたが、そのトイレの外にもその人がいて私の存在を察して面白がっているように思えて仕方ありませんでした。
その後、転職しましたが同僚から褒められても馬鹿にされているように感じたり、気を使われて自分だけ存在が浮いているような感じさえして、自分と関わりを持つこと自体が周りへの負担なように思えました。
仕事を始めてからは何度か大量服薬して、一度は腓骨神経麻痺も経験しました。結局、現在は仕事を辞めて1年半ほど療養しております。
未だに調子の波はあり、なんでもできる時期もあれば、疲れてベッドから動けない時期もあります。ですが、働いていた頃のような妄想?はありません。

断片的な情報ばかりで申し訳ないのですが、私は統合失調症ではないのでしょうか?だとしたら、なんの病気なのでしょうか。
ちなみに、これまでリスペリドンをはじめとした抗精神病薬を服用してきましたが、状態を安定させてくれた薬は今飲んでいるビプレッソ徐放剤のみです。

 

林: 統合失調症の可能性が最も高いと思います。

何件か転院をしていますが、どこの先生方も私が落ち着いていて会話も明瞭なためか「統合失調症らしくない」と言われました。

とのことですが、「統合失調症らしくない」ことと「統合失調症ではない」はイコールではないので(「統合失調症らしくない」すなわち「典型的な統合失調症とは異なる」としても診断は統合失調症であるということは十分にあり得ます)、これまでの医師が質問者を統合失調症と診断しているか、していないかは不明です。

しかしそれはともかくとしても、このメールに書かれている経過と症状は統合失調症という診断に矛盾はありません。とは言え、「最も典型的な統合失調症」とは異なるとまでは言えるかもしれませんので、医師によっては統合失調症とは診断しないということもありえます。しかし重要なのは統合失調症と診断できるかできないかではなく、どのような治療をすれば症状が改善・安定するかということですから、今の治療薬が効いているのであれば、診断を厳密に追求する必要はないでしょう。今の治療を続けてください。

(2021.4.5.)

05. 4月 2021 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 統合失調症 タグ: |