【4173】統合失調症と診断されていますが、いまだに半信半疑で、薬を飲むことに抵抗があります
Q: 20歳前半・女・学生です。
病院に通ったりやめたりして、今は病院に通院しています。
今までの病院では、診断名は言われていなかったのですが、エビリファイ6mg~12mgを処方され、今は6mgを飲んでいます。
病院での診断名は統合失調症です。
一昨年に頃に幻聴があり、通院を始めました。そのあと良くなったので、通院をやめました。
そして、また調子が悪くなり、通院をしています。
今は思考が入ってくるという症状で通院をしていると思います。
親と一緒に病院に行っているにも関わらず、親は通院を反対し、薬を飲む事に反対しています。
私も現在調子が良いので、通院をやめない方がいいと思いますし、今までの状況からして、薬を止めれば恐らく悪化すると思います。
しかし、幻聴もなく、特にこれといった統合失調症の症状がない事から、通院をやめてもいいのでは?と思う気持ちもあります。
親もそれを理解しているようで、病院の先生に薬を止める事を提案して、却下されました。
やはり、薬を飲んだ方がいいというのは理解できます。
しかし、本当に自分は統合失調症なのかがわかりません。幻聴も自分のただの間違いだったのかもしれないと思ってしまいます。
本当は健康であるのに、薬を飲むというのが心配です。
林: この【4173】の質問者に対して確実に言えることは、「あなたのように考えて中途半端な治療を続けることで、経過が不良になる統合失調症の人がとても多い」ということです。その結果は、人生の貴重な多くの時間を、症状との戦いや治療に費やし、自分が本来やりたいことができない・達成できないということになることが大部分です。
この【4173】がまさにそうしたケースにあたるかどうかは、もちろんこのメールの記載だけから断定することはできません。断定できない理由の一つは、統合失調症の具体的な症状の記載に乏しいことです。
しかし、
・統合失調症と診断され
・治療で回復したが
・服薬中断で再発した
・症状は、幻聴、そして思考が入ってくるという体験がある。思考が入ってくるという体験は今もある様子
これだけの事実があれば、服薬は長期に、おそらくは一生にわたって継続する必要があると推測するのが妥当です。
そのように納得して治療を継続する人では多くはその後の経過は良好になりますが、
この【4173】のように、家族が服薬中断を強く勧める場合、多くはその後の経過は不良になります。そのような実例は膨大に存在し、精神科Q&Aの中にもいくつも見出すことができます。最悪の実例の一つは【3828】です。
やはり、薬を飲んだ方がいいというのは理解できます。
その理解に従って行動してください。
しかし、本当に自分は統合失調症なのかがわかりません。幻聴も自分のただの間違いだったのかもしれないと思ってしまいます。
回復するとそのように感じられることはしばしばあります。
本当は健康であるのに、薬を飲むというのが心配です。
あなたは統合失調症です。薬を飲んでいれば健康な生活を送ることができます。飲まなければ高い確率で再発を繰り返し苦悩の多い人生になるでしょう。
(2020.11.5.)