【4410】統合失調症と思われる60歳の母が家族の手に負えない状態になっている
Q: 統合失調症に関して調べる中、林先生のサイトを紹介されました。アドバイスを頂ければ大変ありがたいです。医師の診断はありませんが、恐らく統合失調症と思われる母 (60)を抱えています。現在、父(61)と母は2人暮らしです。私は3人姉妹の次女(32)で、父から「お母さんを抱えていくのが限界」と相談をうけました。 家族構成です父/母→同居長女→既婚、3人の子供次女(私)→既婚、子供なし三女→間もなく結婚予定(現在は婚約者と同棲中) 話は20年程前にさかのぼるのですが、父方の祖母を母が介護していました。病名はアルツハイマーです。当時、アルツハイマーはまだ今程認識されていなく、病院を何件もたらい回しにされ、行政機関、医療機関など様々な方へ相談しに母と同行したものです。母は祖母のひどい妄想に苦しめられ、また、祖母が父親や親戚には全く別の顔で接していた為、父親を含む親戚一同からひどい叱責を日々受けていました。親戚一同は「おばあちゃんがそんなひどい事をするはずがない、あなたが家から追い出そうとしている」となじられていました。しかし、数年後、社会のアルツハイマーに対する認識が広まり、医師からも確実にアルツハイマーであるという診断が下り、祖母は8年程前に病院で安らかに永眠しました。 祖母の亡くなった後、親戚、父からのストレスで母はひどく落ち込んだ り、しばしばパニックに陥ったり、 不眠になったり……苦しい日々が続いていました。母の父に対する確執はエスカレートするばかりで、3人の娘は自己の生活を犠牲にしてまでずっと母につき合ってきました。あまりの母の勝手な状況と束縛に、3人とも、別々の時期ですが家出をしてしまいました。母が娘たちの人生を歩ませず、ずっと自分につきっきりでないと許さない状況に耐えられなかったのです。 そんな中、ちょうど祖母が亡くなって間もなく、母は乳がんにかかり自分が闘病生活に入りました。手術は成功し、 その後は普通に生活を営んでいます。
前置きが長くなりましたが…….現在、母は「自分が様々な試練を乗り越えるべく、選ばれた神の使い」 だと強く信じています。様々な「声」が聞こえてそれが「霊の憑依」であると言っています。母に逆らう者、意見の違う家族に対しては24時間、不眠不休で怒鳴り続けます。自らを「神」だと思ってるので、一般的な理屈が全く通用せず、会話が成り立ちません。父は母の事を「ノイローゼ」だと思っていて、 自分の責任で母がこうなってしまったのだから全て受け入れると10年前から母の叱責、暴力、精神的な束縛に耐えています。父の考え方がおかしく、悪霊がついていて成敗しようと、支離滅裂な事をずっと言い続けています。怒鳴っている内容を聴くとおもに、昔自分が受けた親族、父への恨み言をずっと言い続けています。恨みごとを言うのがおさまらない時は父を会社に行かせません。振り切って行った場合、会社に乗り込んできます。過去に父はその影響でクビになりました。(現在は別の会社に就職しています) 最近は母の浪費がひどく、それも「神の声」だと信じています。また、会話のボキャブラリーが極端に減ってきました。会話もとぎれとぎれの内容、人の話に全く感心がない、自分の霊力で未来が読めると思い込んでいます。 そんな母をもう病院に入れてあげたいです。祖母の件で精神科などはよく行っていたので自分からは絶対に行きません。家族の説得も「悪霊がついてるからそんな事を言う!」と返答する事は残りの家族全員の一致意見です。 長くなってしまい申し訳ありません。良いアドバイスがありましたら是非お願いいたします。
林: お母様は統合失調症に間違いないでしょう。このメールからは発症時期は不明ですが、10年以上前の発症であることは確かで、以来、未治療のまま経過したため、悪化の一途をたどって今の精神状態に至っています。統合失調症は精神科で治療する以外に対処方法はありませんが、ここまで悪化すると本人に治療を受けるよう説得することはほとんど不可能で、強制入院しかないレベルだと思います。具体的な方法は地域によっても異なりますので、保健所に相談することをお勧めします。
(2021.11.5.)