【4039】理由がわかっていても病気でしょうか

Q: 私は20代の男です。一ヶ月ほど前から一日中、過去の「とある出来事」を思い出し、悩み、強い抑うつ気分や食欲減退、自殺願望に苦しむという状況が続いています。こういった状況から素人考えではありますが、自分はうつ病か何かではないかと疑い、本やネットで情報を集めるようになったのですが、この過程でふと件名のような疑問が浮かび上がってきました。 「とある出来事」というのは、大学に入って間もない頃、引きこもりになってしまったという事です。引きこもっていた時期は、社会復帰する時間まで含めると二年間です。 理由がなんであれ、気分が強く沈んだ状態が永続的に続くというのは病的だと思っているのですが、その一方、学生時代に丸二年間を棒に振ってしまうという失態をやらかしたなら、気分が沈み込み食事が喉を通らなくなるのは人間として当然の反応では、とも自分には思えるのです。 私は何らかの精神疾患なのでしょうか、それともただ現実に苦しんでいるだけなのでしょうか。

 

林: 第一に引きこもりがあり、第二に、そのひきこもりが原因で気分が沈んでいる、と質問者は解釈しておられるようですが、そもそもの第一の引きこもりが、何らかの精神疾患の兆候であった可能性を否定できません。このように、何か原因があって、その結果として精神症状が出た、と本人や周囲が解釈されていとき、その「原因」なるものが精神症状であることしばしばあります。たとえばいじめにあったとか、仕事で失敗した、などです。すなわち、いじめが被害妄想であったり、仕事の失敗が精神機能に低下によるものだったりする場合がしばしばあるものです。この【4039】のケースも、ひきこもり → 気分が沈んだ というシンプルな図式ではなく、より広く全体を把握することで、もっと重要なことが見えてくるかもしれません。

(2020.5.5.)

05. 5月 2020 by Hayashi
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