【3978】統合失調症を初めて曇りなき眼で見て

Q: 私 は30代女性です。 私が統合失調症について調べたのは姉が統合失調症になってからです

私は看護師ですが精神科に実習に行ったときも、「なんぜか分からないが暗い気持ちになる」と思ったり、患者さんで統合失調症の方がいてもどう接すればいいか分からなかったり、ニュースで事件等で精神障害がありそうな報道を見ると、統合失調症ってこわいな、統合失調症は嫌だなあと思っていました。看護学校でもクラスに統合失調症の人がいましたが、遠巻きに見ていましたし憐れみもありました。
統合失調症は遺伝性の疾患だ、統合失調症は異常者だ、ごく一部の人がなるんだ、100人に1人というけれど周りでは聞かないから、遠い、自分には関係のない話だと思っていました。

なので姉が統合失調症を発症したときは晴天の霹靂、まさか…という感じです。それから先生の本を読んだりするうちに、統合失調症は無治療であれば怖い病気だけど、恐れることはない、というか、向き合えば、付き合っていける…病気だと思いました。
そして誰でもなる可能性はある。決して対岸の火事の病気ではないと思いました。精神病というとなにか恐ろしいような気もしますが内因性の疾患、脳の疾患というと原因がハッキリしていて、そうか、と納得できますね。
先生の本で、願望は事実を見る目を曇らせるというようなことが書かれていました。本当にそうです。何度、姉の診断は誤診で統合失調症ではなければいいと思ったか…
けど願望では願いは実現しませんし、病と向き合っていくしかないんだ、ということを思っています。

統合失調症に対する偏見が大きかったのに、病を理解して受け止められるようになりました。まだまだ未熟ですが、一つ成長したと感じます。病気も悪いことだけではないですね。今は、ボランティアをしようかなどと考えており人に優しさを配れる境地になったように思います。

これからも大変なことはあると思いますが一つ一つ乗り越えていきたいです。

 

林: 貴重な体験と思いをお知らせいただきありがとうございました。お姉さまの病状が改善・安定することを願っています。

(2020.2.5.)

05. 2月 2020 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 統合失調症