【3884】実家の階段を降りるとき、真っ暗な中に子供の描いた絵のような、輪郭だけの目と髪、笑った口をした紫色の何かが真後ろに張り付いているような気がしてとにかく怖い

Q: 20代男性です。 『家の中にストーカーがいます』を拝読していて、昔感じていた恐怖感・イメージについて思い出されたので、それが医学的にどういった意味や可能性を示唆するものなのか教えていただきたく、ご連絡します。

まず、書籍から昔感じていた「怖いイメージ」が思い出されたきっかけと経緯を、少し長くなるのですがお伝えさせてください。
私は2週間ほど前から治療を決め、精神科を受診しました。それ以前にも数度受診することはありましたが、直後に生活を投げ出したり、先生と合わなかったりで、継続的な治療はできていませんでした。
10代半ばから不安感・焦燥感・憂鬱感が強く、今回は吐き気や痺れ、息苦しさなど身体的にかなり急に辛くなったので、このままではもうダメだ、と感じ受診に至りました。
薬はゾルピデム5mg(就寝前)、タンドスピロンクエン酸塩5mg(朝・夕)を服用しています。

受診の際、認知行動療法の本を薦められたので買って読み、その後関連して愛着障害 の本を読みました。
まったく別の類のものかもしれませんが、「アタマが考えないように避けていること」を知ることは何となく自分にとって重要なように思い、古い、失敗や悲しい気分など、日記につけるようにしています。

そこで『家の中にストーカーがいます』を読み始め、統合失調の方の妄想の話などに触れていると、滅多に思い出さない/思い出せない小さいころの恐怖感が蘇りました。日記に書いていたようなことは比較的簡単に思い出せましたが、これについて思い出したときとても ゾッとするような感じだったので、何か意味があるように思ったのです。

記憶の限りだと、5歳から18歳ごろに持続的に感じていました。
内容は、「実家の階段を降りるとき、真っ暗な中に子供の描いた絵のような、輪郭だけの目と髪、笑った口をした紫色の何かが真後ろに張り付いているような気がしてとにかく怖い」というものです。高校に入学してからもやはり怖く、大きな音をたてて走るように階段を降りていました。
いないのはわかっているので、妄想というものともまた違うのかなと思いますが、また別の恐怖感として、小・中学生のころは寝ていると窓の外から何者かにじっと見られている気がしてまったく動けなくなる、というような傾向はありました。

主治医に話すのは治療が始まったばかりで、かつ、まだ十分に心身の調子がすぐれないことと、内容がオカルト的に感じられるため、気が引けます。

それでも「紫色の何か」は思い出すと非常に怖く感じられるので、関係しそうな記憶をいくつかふり返りました(記憶を辿っていますがどれも見当違いなのかもしれません)。
(1) 小さいころ兄と階段の上のほうから飛び落ちる遊びをしていたのと関係している?
(2) 阪神の震災時、大声の親に、ものすごい勢いで階段の下(家の外)まで連れ出されたのと関係している?
(3) 近くのアパートの階段でこけ、アゴを割る大きめの怪我をしたが、誰かの故意だった?

お答えいただくに足る、十分な情報量がないかもしれず、申し訳ありません。
判断や可能性を示して頂けなくとも、どうして長年怖かったのか、なぜ今もやや怖いのか、自分で知るために有効なアプローチや方法論などがございましたら教えていただきたいです。

 

林: この「紫色の何か」は、ご本人の記憶にない何かの出来事に関係している「かもしれない」とまでは言えますが、それ以上のことはわかりません。この観点からすると、

(3) 近くのアパートの階段でこけ、アゴを割る大きめの怪我をしたが、誰かの故意だった?

が気にかかるところですが、これも「気にかかるところ」とまでしか言えません。

(2019.9.5.)

05. 9月 2019 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A