【3687】親友が統合失調症らしいが、家族に放置されている
Q: 40代女性です。数日前、数か月連絡が途絶えていた親友が来訪し突然「だんなが私を殺そうとしている」と訴えました。盗聴器が仕掛けられている、警察を呼んでほしい、たくさんの人や車に後をつけられている、など幻聴幻覚がひどく、だんなと実の姉を疑い親友の私を頼ってきます。夜中に呼びだされたり、家に泊めたり、警察に保護してもらって迎えに行ったり、できるだけのことはなるべく協力していますが、そんなことをしていても親友の病状が治るわけではないし、私の体力気力にも限界があります。私の家庭もあり小さな子供もいます。早急に受診させたほうがよいことをお姉さんと話したのに、お姉さんにも自分の家庭があるからか、おかしなことを言っているという自覚のない友人を受診させるのが困難であきらめてしまったのか…、もう一週間経つのにそのままです。私が市役所や警察署などに相談に行って説明をしていますが、親族でもない私からの相談だからか市役所もすぐに動いてくれません。他人の私が強制入院させることもできなくて困っています。本人もこのままではつらいだろうし、本人は自分の子供を連れまわって幻覚の中をさまよっています。何処に相談したらすぐに親友と私を助けてもらえるでしょうか。親友の家族と対応の遅い市役所に腹を立ちます。親友の心配をしながらも、また連絡があったらどうしようと私たち夫婦も疲れがたまってきています。どうか方法を教えてください。
林:
私が市役所や警察署などに相談に行って説明をしていますが、親族でもない私からの相談だからか市役所もすぐに動いてくれません。
このようなケースではそれが実態です。法律上は、他人であっても通報し診断を求めることは可能ですが、実際にはよほどのことがない限り、通報はされても公的機関はなかなか動かないというのが実態です。「よほどのこと」とはつまり、大変に重症化した場合で、統合失調症は放置すればそうなる可能性が高いわけですから、そうなる前に動くことが当然に望まれますが、そうはなっていないというのが実態です。質問者は現時点において、他人としてできる限りのことはすべてなさっていると思います。残る方法としては、きわめて困難でが、何とか説得して(「何とか」とは、ありとあらゆる方策を含みます)精神科にご一緒に連れて行き受診させることでしょう。
(2018.6.5.)