【3087】発症から27年後、入院しました(【2150】のその後)

Q: 【2150】義母は治療されないまま27年間も統合失調症の妄想が続いているのでしょうかで回答いただいた50代女性です。お忙しい中、質問にお答えいただいてありがとうございました。長年、義母について長年の怨みもあり 少し興奮して質問してしまい申し訳ありませんでした。その後、義母は 部屋中の荷物をダンボールに入れたり、暴力を振るわれたと病院へ駆け込んだり(暴力の事実はありません)の奇行がおこり 3ヶ月間 地元大学病院へ入院いたしました。統合失調症とも老人性妄想障害とも言われましたが、他人への危害がないとの事で退院しました。大学病院の先生は 義母の一連のことは性格も大きく関係しているので 年齢からみても治ることはないと思うとの事でした。、精神科からいただいている薬のせいか、入院後からは、義母は動きが緩慢になり 反応も鈍く 以前のようなきつい義母ではなくなりましたが、話を聞くと 以前からの 妄想は消えていませんし 幻臭も続いています。本人は全く精神科へ入る必要がないのに 私に謀られて入れられたといっています。退院後は外出はしなくなりというより出来なくなり 生活は100%わたしに依存しています。精神科の先生は入院中 一度も本人に統合失調症であることは告げませんでした。ですから 本人は精神病ではなく年をとって嫁に面倒見てもらっているという認識ですので 私は義母に「あなたは30年間 精神病なんだから」といいたくなってしまいます。 入院中、義母は 精神科の先生に よく「私は正常です」を連呼していましたが、私としては 顔を見るたび「あなたは異常です」を連呼したい気分です。 患者本人に病名を伝えることはいけないことなんでしょうか。また、先日病院で診断書をいただいてきましたが そのことを知った義母が診断書を見せて欲しいようなことを言っていますが 見せてもいいのでしょうか。どうぞよろしくお願いします。

 

林: 入院した病院で最終的にどのように診断されたのかがまず重要なポイントです。

大学病院の先生は 義母の一連のことは性格も大きく関係しているので 年齢からみても治ることはないと思うとの事でした。

これは曖昧にすぎる説明で、(曖昧に説明することが適切と考え理由が医師の側にはあったのかもしれませんが)、診断名を含め、もっと詳しい説明を求めたほうがいいでしょう。
経過全体と症状から見れば、【2150】の回答の通り、統合失調症と診断するのが妥当だと思います。この【3087】のように長年無治療で放置された末に治療が開始された場合、必ずしも効果が期待できないということはありません。慢性化して人格変化が進んだ場合はあまり期待できませんが、幻覚や妄想のような陽性症状には、薬の効果が期待できます。

また、

精神科からいただいている薬のせいか、入院後からは、義母は動きが緩慢になり 反応も鈍く 以前のようなきつい義母ではなくなりましたが、話を聞くと 以前からの 妄想は消えていませんし 幻臭も続いています。

とのことですが、処方されている薬の具体的な内容についての情報がないと、何とも言えません。

患者本人に病名を伝えることはいけないことなんでしょうか。また、先日病院で診断書をいただいてきましたが そのことを知った義母が診断書を見せて欲しいようなことを言っていますが 見せてもいいのでしょうか。

そもそも病名も診断書の内容も不明ですので、回答は不可能です。
それでも言えることは、お義母様には妄想があり、病識がほぼ完全に欠如しているようですので、そういうケースでは病名を伝えることで何かが好転することは期待できないということまでは確かです。

(2015.11.5.)

05. 11月 2015 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 統合失調症 タグ: , |